年金も医療も税金でまかなうのが公平で効率的。企業は福祉から撤退せよ
たちばなき・としあき
橘木俊詔 (京都大学大学院教授)
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企業の福利厚生とは賃金以外の給付
福祉制度の担い手としては、国家や地方公共団体という公共部門、そして本人、家族、企業が重要である。多くの国の歴史をたどれば、過去は家族、企業が中心であった。公共部門が登場するのは西欧であれば一九世紀後半にすぎない。日本では「福祉元年」と称される一九七三年(昭和四八年)に、すべての国民に年金や医療サービスがおよぶ皆保険となり、国家が前面にでてきた。それ以前は家族と企業が中心であった。
企業はどのようなかたちで福祉の担い手だったのだろうか。戦前の大企業では、労働傷害や病気に備えた労災保険や医療保険、社員に住居を提供する社宅や独身寮、それに企業独自の病院というのが企業福祉の顔であった。従業員にこれらの諸福祉を提供することで生活の安定に寄与し、長期間会社で働いてもらうため、勤労意欲を高めるため、あるいは良好な労使関係を保持するための手段として、企業は福祉を担ったのである。
その後、第二次大戦前後から国家が年金、医療、失業、労災といった社会保険制度を運営することとなり、企業はそれらの保険料を労働者とともに負担する姿に変容した。それが法定福利厚生と呼ばれるものである。しかし、企業独自の福祉制度も残ったし、さらなる発展もみられた。それは社宅、独身寮、文化・スポーツ施設、社員食堂、病院、退職金、企業年金、といったもので、その企業で働く従業員だけに福祉サービスが提供されるものである。これらは法律で強制されるものではないので、非法定(あるいは法定外)福利厚生と呼ばれる。
このように、企業が福祉に寄与する方法は(1)法定福利厚生、(2)非法定福利厚生、の二つに大別される。企業からみれば、従業員の労働提供への見返りとして、賃金以外の手段で給付を行っているのであり、非賃金労働費用と理解できる。
筆者の主張は、一部を除いてこれら二つの福祉から企業は撤退してよく、したがって、企業の対労働給付は賃金だけにしてよい、というものである。なぜ企業は福祉から撤退してよいか、その根拠をここで具体的に議論してみよう(詳しくは拙著『企業福祉の終焉』中公新書を参照)。
福利厚生費を賃金として支払うべき理由
まずは非法定福利厚生についてである。第一に、これら非法定福利厚生の存在意義は、従業員の長期就労に期待し、かつ会社に忠誠心をもってもらうための手段ということにあった。しかし現代は、従業員が一つの企業に長期雇用されることの価値を、労使ともにさほど認めない時代になっている。リストラと称する解雇が横行し、かつ従業員の転職志向も高まっていることからも、それは明らかである。
第二に、非法定福利厚生は企業規模間格差が大きすぎた。いわば大企業しかこれらの福祉を提供する余裕がなかったのであり、中小企業で働く人はそのサービスを享受できなかった。福祉に不平等があるのは好ましくないとする立場からは、非法定福利厚生は容認されにくい。
第三に、たとえ大企業であっても、パートタイマー、期限つき雇用労働者、派遣社員といった非正社員は、これら非法定福利厚生から排除されているのが一般的であり、これも不平等のシンボルとなっている。現代の日本企業では、企業規模を問わずこれら非正社員の数が激増しており、福祉における格差はますます拡大している。
第四に、労働者の側も、福祉を企業から半分押しつけの姿で受けるよりも、自分の好みに応じて住宅を選んだりレジャーを楽しんだりする方が個性の時代にふさわしい、と判断する人が多くなっているのではないか。さらに、退職金を企業退職後に受領するのではなく、退職金への留保分を現役労働中に賃金として受け取ることを好む人の数も増加している。
第五に、企業の存続期間は一部を除いて、短期間になっている。退職金制度や企業年金制度を例にすれば、これら二つの制度の権利と拠出分を労働者が次の企業に持っていくには、複雑な事務が必要である。日本において企業年金のポータビリティが導入されにくいのは、これが障害となっているからである。
これらの理由により、非法定福利厚生は役割をほぼ終えていると判断する。したがって、企業はこれらにまわしていた労働費用を、従業員に賃金として支払う方法に変換するのがベストである。
収益を上げ、高賃金を払うのが社会的貢献
次は、法定福利厚生についてである。年金、医療、介護、失業、労災などの社会保障制度において、企業は労働者とともに保険料を負担しているが、失業と労災を除けば企業は保険料を支払う必要がない、というのがここでの主張である。その根拠を述べてみよう。
第一に、年金、医療、介護の給付財源としては、税収を用いる方が経済効率を高めるのに最適である、との経済学上の根拠がある。社会保険料として現役の労働者のみから徴収するのではなく、国民全員から広く薄く税を徴収する方策のほうが、資源配分にゆがみを与える効果が小さいので、経済効率、あるいは高い経済成長にとって有効なのである。
税収としては消費税が好ましく、その点については拙著『消費税15%による年金改革』(東洋経済新報社)で、具体的に提案している。年金等の給付財源として税収を用いるということは、財源を保険料に求める制度からの離脱を意味するので、企業は保険料を支払う必要がなくなる。
第二に、年金給付と介護給付は労働者が引退してから発生する人生上の事象である。これについては、なぜ企業が従業員の引退した後の個人の生活まで面倒みなければならないのか、という素朴な疑問がある。自営業者はすべてを自分で負担している。労働傷害や病気は現役の労働期間中に発生することなので、企業が面倒をみる理由はまだあるが、年金・介護はそれとは異なる。
第三に、企業の存在理由は、ビジネスにおける繁栄を目指して一国経済を強固にするためにある。生産を伸ばし、収益を上げ、雇用を確保し、従業員にできるだけ高い賃金を支払うことが、企業の最大の社会的貢献である。非法定福利厚生の提供にあれこれ苦慮したり、法定福利厚生の提供によってビジネス活動に支障が生じるなら、それは企業本来の目的から逸脱したものとなる。
普遍的な福祉を行えるのは国家しかない
以上が、企業が法定福利厚生からも撤退してよい、とする主張の根拠である。では、企業が福祉から撤退すれば、誰が担い手になるのか。それが次の論点である。選択肢は(1)本人、(2)家族、(3)国家の三つである。
(1)の本人が担い手になるとは、自立に期待するということである。病気や年金は自分の責任で準備せよ、ということであり、福祉について自立を原則とするアメリカ型の制度である。公的保険制度ではなく、民間による私的保険制度に依存する制度といってもよい。
家族は「福祉元年」以前の日本ではもっとも重要な担い手だったので、(2)は古き良き時代に戻れ、という主張につながる。年老いた親の経済支援、あるいは病気・介護の面倒は家族の役割となるということである。
(3)は福祉を社会的に行うことを意味する。
本人、家族、国家のうち、筆者の考える最も望ましい担い手は国家である。なぜなら、自立を求めるアメリカ型の制度は、福祉を享受できる人とできない人の差が大きくなりすぎる欠点がある。さらに、現代の日本では、家族に昔のような役割を期待することはできない。日本は一九七三年に福祉の社会化を既に選択しており、家族は大きく変容した。もはや昔に戻るのは困難であろう。
最後に残るのは国家しかない。国民一人一人に普遍的なサービスを、その人の職業、働いている企業の規模、性別などと無関係に提供できるのは、政府だけである。財源に税収を用いれば、負担も公平になる。さらに、すでに述べたように、経済効率の向上に寄与する。その他にも政府を支持する理由は多くあるが、興味のある方は、拙著『安心の経済学』(岩波書店)を参照されたい。ただし、社会保険庁に代表されるように公務員の不祥事が続けば、日本人は国家を信用しなくなる。案外(1)の本人案(すなわち自立策)を選択するかもしれないことを、最後に指摘しておこう。
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2008年2月26日火曜日
[基礎知識]福祉の担い手にふさわしいのは国か、企業か?
[企業福祉についての基礎知識]
[基礎知識]福祉の担い手にふさわしいのは国か、企業か?
全2ページ|1p|2p|
企業福祉の歴史にみる日本の特徴
海外ではあまり見られない日本の退職金制度は、江戸時代の商家で行われていた暖簾分けが起源だといわれる。長年忠実に勤めた奉公人に資金や商品などをわたして独立させるこの暖簾分けが、やがて退職者にまとまった金銭をわたす制度に変わったのである。
明治に入り、人里離れた土地での作業となる炭坑や鉱山などで、住居などの生活施設を用意したことが、近代の企業福祉の始まりである。これは世界的に共通している。
大正から昭和にかけて、大資本企業を中心に、住居や医療などの福祉が広がったが、西欧ではやがて福祉は国の施策へと移行していったのに対し、日本ではあいかわらず、福祉は企業が担う状況が続いていた。福祉に企業が介入して生活を縛られるのを嫌った西欧の職能別労働組合と異なり、企業内組合が多かった日本では、企業が提供するサービスを受けることに、抵抗が少なかったからである。
戦後の高度成長期には、地方から都市へと大量に人が移動したが、このときの住居確保も企業が担ってきた。そして文化・レジャー・体育施設など福祉分野が広がり、退職後の生活保障はもちろん、なかには墓を提供する例もでてくるほど、企業は社員と家族を丸抱えしていった。もちろんそれができるのは大企業のみだから、「いい大学をでて、いい企業に入社して、一生安泰に暮らす」という志向が、社会に蔓延することとなった。
このように、日本の企業福祉は、終身雇用、年功序列の日本型経営とともに歩み、それを下支えする存在だった。
始まった企業福祉からの撤退
日本経団連が二〇〇五年一月に発表した「福利厚生費調査結果」では、企業が負担する従業員一人一ヵ月あたりの福利厚生費が一〇万円台になり、過去最高を示した。福利厚生費と退職金を合わせると、現金給与総額の三分の一を超えている。こうした企業福祉の財政圧迫、そして日本型経営の崩壊のなかで、企業福祉は見直しを迫られ、一部の福祉事業から撤退する企業が相次ぐようになった。
たとえば松井証券は〇二年から、退職金制度を全廃し、その分は給料に上乗せするという変革を遂行した。そのさいは、社員をいったん全員退職させて退職金を支払い、希望者は翌日に退職前と同じ条件で再採用するという形式をとっている。同社は、退職金だけでなく、財形貯蓄や住宅貸付金規定も廃止した。松井道夫社長は、インターネットの経営情報サイト「イノベーティブワン」で、〈企業と個人は互いに自立してなくてはなりません。社員が企業に従属する必要は何一つないのです。だから会社が人生を丸抱えするような制度は一切採りません〉ときっぱり述べる。
退職金制度から切り替えられたものに、企業年金がある。基礎年金、厚生年金の公的年金に加えて企業が支払う年金で、企業本体から独立した厚生年金基金が運用・管理している。しかし基金は運用利益がなかなか得られず、大半の企業が積み立て金不足に陥っているのが現状である。そのため、厚生年金基金を解散する企業が相次いでいる。
かわって注目されたのが、〇一年に創設された確定拠出年金制度(日本版401k)である。厚生年金基金が、支払われる年金額があらかじめ決められているのに対し、確定拠出年金制度では、加入者が運用方法を選択し、その結果によって受け取れる金額が異なってくる。将来設計を自己責任で管理する、いわば自立型の年金である。
カフェテリアプラン
企業福祉の見直しが迫られる背景には、提供サービスと社員が求めるサービスに、ミスマッチが生じてきたこともある。価値観やライフスタイルが多様化し、企業福祉に対するニーズも分散するようになり、一方で社員旅行や各種企業内の宴会などを拒否する社員も多くなった。また、場所的に施設が利用しにくい社員がいたり、本社の社員だけに便利だといった不公平感もでてきている。
そこで九〇年代後半からカフェテリアプランという手法が登場してきた。もともとアメリカで開発されたもので、勤続年数や資格等級などに合わせて、各社員に持ち点を与え、その範囲内で希望する福利厚生制度を選択して利用するシステムである。
法的規制はほとんどないので、導入企業はそれぞれ独自の方式をとっている。提供サービスの全メニューを選択制にしている企業もあれば、西友のように、昼食費補助などの固定メニューと、自由選択できるメニューとを並立させている企業もある。伊勢丹のように、五〇%を自己負担にしている例もある。
ただカフェテリアプランは、ポイント管理などの新たな業務の発生や、年金、医療、有給休暇などが組み込みにくいこと、従業員の需要を喚起してしまい、思わぬ負担増があるかもしれないことなどから、それほど広まっていないのが現状である。
今後の企業福祉
(財)生命保険文化センターの西久保浩二氏は、著書『戦略的福利厚生』(社会経済生産性本部生産性労働情報センター刊)で、今後は企業福祉を経営戦略として生かすべきだという。成功例としてあげているのが、進研ゼミで知られるベネッセ・コーポレーションである。同社は、企業託児施設の設置をはじめ、育児短期間勤務制度、介護時短勤務制度など、企業福祉を女性の働きやすさに特化した。その結果、女性にやさしい職場とのイメージが浸透し、優秀な人材を確保してきた。〈その価値ある経営資源が、介護ビジネスや育児・介護支援ビジネスなどの新しい事業戦略をいち早く選択させた〉。
一方、社会保障と環境を結びつける社会モデルの構築を提案しているのは、千葉大学の広井良典教授である。社会保障は国家が担うが、あらゆる分野を手厚くするのは無理なので、医療や福祉に重点を置く。そして労働への課税から資源消費への課税へと考え方を変え、環境税を設けて財源にすれば、企業負担の軽減につながるとする。
[基礎知識]福祉の担い手にふさわしいのは国か、企業か?
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企業福祉の歴史にみる日本の特徴
海外ではあまり見られない日本の退職金制度は、江戸時代の商家で行われていた暖簾分けが起源だといわれる。長年忠実に勤めた奉公人に資金や商品などをわたして独立させるこの暖簾分けが、やがて退職者にまとまった金銭をわたす制度に変わったのである。
明治に入り、人里離れた土地での作業となる炭坑や鉱山などで、住居などの生活施設を用意したことが、近代の企業福祉の始まりである。これは世界的に共通している。
大正から昭和にかけて、大資本企業を中心に、住居や医療などの福祉が広がったが、西欧ではやがて福祉は国の施策へと移行していったのに対し、日本ではあいかわらず、福祉は企業が担う状況が続いていた。福祉に企業が介入して生活を縛られるのを嫌った西欧の職能別労働組合と異なり、企業内組合が多かった日本では、企業が提供するサービスを受けることに、抵抗が少なかったからである。
戦後の高度成長期には、地方から都市へと大量に人が移動したが、このときの住居確保も企業が担ってきた。そして文化・レジャー・体育施設など福祉分野が広がり、退職後の生活保障はもちろん、なかには墓を提供する例もでてくるほど、企業は社員と家族を丸抱えしていった。もちろんそれができるのは大企業のみだから、「いい大学をでて、いい企業に入社して、一生安泰に暮らす」という志向が、社会に蔓延することとなった。
このように、日本の企業福祉は、終身雇用、年功序列の日本型経営とともに歩み、それを下支えする存在だった。
始まった企業福祉からの撤退
日本経団連が二〇〇五年一月に発表した「福利厚生費調査結果」では、企業が負担する従業員一人一ヵ月あたりの福利厚生費が一〇万円台になり、過去最高を示した。福利厚生費と退職金を合わせると、現金給与総額の三分の一を超えている。こうした企業福祉の財政圧迫、そして日本型経営の崩壊のなかで、企業福祉は見直しを迫られ、一部の福祉事業から撤退する企業が相次ぐようになった。
たとえば松井証券は〇二年から、退職金制度を全廃し、その分は給料に上乗せするという変革を遂行した。そのさいは、社員をいったん全員退職させて退職金を支払い、希望者は翌日に退職前と同じ条件で再採用するという形式をとっている。同社は、退職金だけでなく、財形貯蓄や住宅貸付金規定も廃止した。松井道夫社長は、インターネットの経営情報サイト「イノベーティブワン」で、〈企業と個人は互いに自立してなくてはなりません。社員が企業に従属する必要は何一つないのです。だから会社が人生を丸抱えするような制度は一切採りません〉ときっぱり述べる。
退職金制度から切り替えられたものに、企業年金がある。基礎年金、厚生年金の公的年金に加えて企業が支払う年金で、企業本体から独立した厚生年金基金が運用・管理している。しかし基金は運用利益がなかなか得られず、大半の企業が積み立て金不足に陥っているのが現状である。そのため、厚生年金基金を解散する企業が相次いでいる。
かわって注目されたのが、〇一年に創設された確定拠出年金制度(日本版401k)である。厚生年金基金が、支払われる年金額があらかじめ決められているのに対し、確定拠出年金制度では、加入者が運用方法を選択し、その結果によって受け取れる金額が異なってくる。将来設計を自己責任で管理する、いわば自立型の年金である。
カフェテリアプラン
企業福祉の見直しが迫られる背景には、提供サービスと社員が求めるサービスに、ミスマッチが生じてきたこともある。価値観やライフスタイルが多様化し、企業福祉に対するニーズも分散するようになり、一方で社員旅行や各種企業内の宴会などを拒否する社員も多くなった。また、場所的に施設が利用しにくい社員がいたり、本社の社員だけに便利だといった不公平感もでてきている。
そこで九〇年代後半からカフェテリアプランという手法が登場してきた。もともとアメリカで開発されたもので、勤続年数や資格等級などに合わせて、各社員に持ち点を与え、その範囲内で希望する福利厚生制度を選択して利用するシステムである。
法的規制はほとんどないので、導入企業はそれぞれ独自の方式をとっている。提供サービスの全メニューを選択制にしている企業もあれば、西友のように、昼食費補助などの固定メニューと、自由選択できるメニューとを並立させている企業もある。伊勢丹のように、五〇%を自己負担にしている例もある。
ただカフェテリアプランは、ポイント管理などの新たな業務の発生や、年金、医療、有給休暇などが組み込みにくいこと、従業員の需要を喚起してしまい、思わぬ負担増があるかもしれないことなどから、それほど広まっていないのが現状である。
今後の企業福祉
(財)生命保険文化センターの西久保浩二氏は、著書『戦略的福利厚生』(社会経済生産性本部生産性労働情報センター刊)で、今後は企業福祉を経営戦略として生かすべきだという。成功例としてあげているのが、進研ゼミで知られるベネッセ・コーポレーションである。同社は、企業託児施設の設置をはじめ、育児短期間勤務制度、介護時短勤務制度など、企業福祉を女性の働きやすさに特化した。その結果、女性にやさしい職場とのイメージが浸透し、優秀な人材を確保してきた。〈その価値ある経営資源が、介護ビジネスや育児・介護支援ビジネスなどの新しい事業戦略をいち早く選択させた〉。
一方、社会保障と環境を結びつける社会モデルの構築を提案しているのは、千葉大学の広井良典教授である。社会保障は国家が担うが、あらゆる分野を手厚くするのは無理なので、医療や福祉に重点を置く。そして労働への課税から資源消費への課税へと考え方を変え、環境税を設けて財源にすれば、企業負担の軽減につながるとする。
空港外資規制は誰のためか
空港外資規制は誰のためか
2008.02.22 更新
*このコーナーでは、『日本の論点』スタッフライターや各分野のエキスパートが耳寄り情報、マル秘情報をもとに、政治・経済・外交・社会などの分野ごとに近未来を予測します。
外資による空港関連会社の株式保有比率を3分の1以下に制限する――国土交通省は今国会で、こんな規制を盛り込んだ空港整備法改正案の提出を目指している。念頭にあるのは、上場している羽田空港のビル運営会社と、来年度以降に上場・完全民営化する予定の成田空港だ。
導入の理由は大きく二つあるようだ。一つは外資に支配されることで、安全保障上の懸念が出てきたこと、もう一つは独占的な利益が追求され、利用者の利便性が失われるおそれがあるというのである。空港は代替のきかない国家の重要インフラであるだけに、こういう事態は避ける必要がある、という理屈だ。
たしかに海外でも、空港に規制を導入している例は少なくない。米国やフランスなど多くの国では、民営化せずに国や自治体などが管理している。あるいは中国の北京国際空港や豪州のシドニー空港のように、運営は民間企業ながら過半の株を政府が保有するなどの規制を設けているところもある。民間の運営で、かつ規制のない空港は、英国のヒースローなどごく少数だ。ちなみに同空港は現在、スペイン企業の傘下にある。
だが日本では、与党内や閣内、経済界から導入反対論が相次ぎ、法案の提出は見送られた。人口減少や低成長、財政難という大きな課題を抱える日本にとって、外資を誘導することは不可欠な成長戦略だ。それを阻害するような規制を設けることは、まさに自らの首を締めるようなもの、というわけである。
しかし、そもそも、なぜ規制の対象が「外資」なのかがわからない。悪意のある資本を警戒するのであれば、それは国内外を問わないはずだ。リスクを避けるなら、海外の多くの空港と同様、最初から上場などしなければいい。あるいは発行株の一定割合を国が保有するといった規制で十分ではないか。民営化して財政負担を軽くしたい、なるべく多くの株を発行して資金を集めたい、でも外資がまとめて買うのはダメ、ではムシがよすぎる。まるで攘夷思想だ。
国交省がこの規制の導入を急ぐのは、羽田空港のビル運営会社の株をすでに豪州のファンドが約20%保有しているからだといわれている。危機感の表れともいえるが、見方を変えれば"事後介入"の印象も拭えない。しかも空港関連施設とはいえ、滑走路や管制塔ではなく、あくまでも商業ビルの話だ。仮に外資の傘下に入ったとしても、安全保障上のリスクがあるとは考えにくい。
じつは同ビル運営会社も成田空港も、国交省OBの重要な天下り先になっている。外資を排除したいのは、その確保のためではないかとさえいわれている。仮に買収されても、それが国内企業なら手なずけることができる、という自信の裏返しかもしれない。
先月末、福田総理はダボス会議での講演で、「対日投資、貿易手続き、金融資本市場の改革等の市場開放努力をいっそう進め、日本を世界とともに成長する国」にすると宣言した。その舌の根も渇かぬうちの昨今の外資規制論議を、当の外国資本はどんな思いで見ているだろう。もはや、日本に注目する外資など希少かもしれないが。
(島田栄昭 しまだ・よしあき=『日本の論点』スタッフライター)
2008.02.22 更新
*このコーナーでは、『日本の論点』スタッフライターや各分野のエキスパートが耳寄り情報、マル秘情報をもとに、政治・経済・外交・社会などの分野ごとに近未来を予測します。
外資による空港関連会社の株式保有比率を3分の1以下に制限する――国土交通省は今国会で、こんな規制を盛り込んだ空港整備法改正案の提出を目指している。念頭にあるのは、上場している羽田空港のビル運営会社と、来年度以降に上場・完全民営化する予定の成田空港だ。
導入の理由は大きく二つあるようだ。一つは外資に支配されることで、安全保障上の懸念が出てきたこと、もう一つは独占的な利益が追求され、利用者の利便性が失われるおそれがあるというのである。空港は代替のきかない国家の重要インフラであるだけに、こういう事態は避ける必要がある、という理屈だ。
たしかに海外でも、空港に規制を導入している例は少なくない。米国やフランスなど多くの国では、民営化せずに国や自治体などが管理している。あるいは中国の北京国際空港や豪州のシドニー空港のように、運営は民間企業ながら過半の株を政府が保有するなどの規制を設けているところもある。民間の運営で、かつ規制のない空港は、英国のヒースローなどごく少数だ。ちなみに同空港は現在、スペイン企業の傘下にある。
だが日本では、与党内や閣内、経済界から導入反対論が相次ぎ、法案の提出は見送られた。人口減少や低成長、財政難という大きな課題を抱える日本にとって、外資を誘導することは不可欠な成長戦略だ。それを阻害するような規制を設けることは、まさに自らの首を締めるようなもの、というわけである。
しかし、そもそも、なぜ規制の対象が「外資」なのかがわからない。悪意のある資本を警戒するのであれば、それは国内外を問わないはずだ。リスクを避けるなら、海外の多くの空港と同様、最初から上場などしなければいい。あるいは発行株の一定割合を国が保有するといった規制で十分ではないか。民営化して財政負担を軽くしたい、なるべく多くの株を発行して資金を集めたい、でも外資がまとめて買うのはダメ、ではムシがよすぎる。まるで攘夷思想だ。
国交省がこの規制の導入を急ぐのは、羽田空港のビル運営会社の株をすでに豪州のファンドが約20%保有しているからだといわれている。危機感の表れともいえるが、見方を変えれば"事後介入"の印象も拭えない。しかも空港関連施設とはいえ、滑走路や管制塔ではなく、あくまでも商業ビルの話だ。仮に外資の傘下に入ったとしても、安全保障上のリスクがあるとは考えにくい。
じつは同ビル運営会社も成田空港も、国交省OBの重要な天下り先になっている。外資を排除したいのは、その確保のためではないかとさえいわれている。仮に買収されても、それが国内企業なら手なずけることができる、という自信の裏返しかもしれない。
先月末、福田総理はダボス会議での講演で、「対日投資、貿易手続き、金融資本市場の改革等の市場開放努力をいっそう進め、日本を世界とともに成長する国」にすると宣言した。その舌の根も渇かぬうちの昨今の外資規制論議を、当の外国資本はどんな思いで見ているだろう。もはや、日本に注目する外資など希少かもしれないが。
(島田栄昭 しまだ・よしあき=『日本の論点』スタッフライター)
新世代DVD(デジタル・ビデオ・ディスク)対応機の規格争い
2008.02.21 更新
2月19日、高画質のハイビジョン映像を長時間録画できるよう、記憶容量を大幅に高めた高性能の光ディスク新世代DVD(デジタル・ビデオ・ディスク)対応機の規格争いに決着がついた。東芝が3月末で「HD DVD」方式の生産、販売から撤退することを発表したためで、これによりソニーや松下電器産業が推進している「BD(ブルーレイ・ディスク)」方式が、事実上、世界標準の統一規格になった。これまでは、互換性のない両規格が併存していたために、対立陣営に属すソフト(映像)が見られなかった。
BD方式は、記憶層がディスクの表面に近く、データを高密度、高精度で記録でき、記憶容量が大きい(50ギガバイト)。これに対し、HD方式は、既存のDVDの製造ラインを転用でき、低価格化が可能というメリットがあった。記憶容量は30メガバイト。
新世代DVDの規格争いで思い出されるのは、1970~80年代の「VHS」対「ベータ」のビデオ戦争だ。このときはソニーが初めにベータ方式を商品化したが市場で縮小、ビクターが開発した後発のVHSへ転換するまで14年を要した。今回は、前回に敗者に回ったソニーのBD方式が規格提唱から5年、商品化からわずか2年で勝利したことになる。ちなみに、昨年10~12月の国内での新世代DVDレコーダーの販売台数は、ソニーが59.6%を占めたのをはじめ、BD方式の対応機がシェアする90%超で圧倒、HD方式の東芝は、3.8%にすぎなかった。
BD方式が世界規格として統一されるのは、米国の大手映画会社でDVDソフト最大手でもあるワーナー・ブラザースが、1月上旬にBD支持を表明したのが決め手となった。さらに20世紀フオックス、ウォルト・ディズニー、ライオンズゲートや小売り最大手のウォルマート・ストアーズ(2月15日に支持発表)が相次いで陣営に参加して、大勢が決した。HD方式の東芝はハード(機器)の特許料収入にこだわり、ワーナーを離反させ、日立製作所やシャープもBD側に移らせてしまうなど、陣営づくりに失敗したのが響いた。
複数の規格が対立した場合、製品化に先立って日本工業規格(JIS)のように国で統一したり、国際電気通信連合(ITU)などの国際機関で話し合うのが通例だ。今回のように市場競争に委ねたのは、技術開発のテンポが早く、客観的な優劣は消費者の選択に任せたほうが賢明だということがあった。しかし、決着がついたことで、今後はHD方式のユーザーが不利になる恐れがあり、東芝は生産販売中止後も、録画用DVDディスクの補充品を8年間保管するなどの顧客対策を行う方針だ。なお、これまでにHD方式の対応機は、世界でプレーヤーが約100万台、レコーダーが約2万台販売されている。
2月19日、高画質のハイビジョン映像を長時間録画できるよう、記憶容量を大幅に高めた高性能の光ディスク新世代DVD(デジタル・ビデオ・ディスク)対応機の規格争いに決着がついた。東芝が3月末で「HD DVD」方式の生産、販売から撤退することを発表したためで、これによりソニーや松下電器産業が推進している「BD(ブルーレイ・ディスク)」方式が、事実上、世界標準の統一規格になった。これまでは、互換性のない両規格が併存していたために、対立陣営に属すソフト(映像)が見られなかった。
BD方式は、記憶層がディスクの表面に近く、データを高密度、高精度で記録でき、記憶容量が大きい(50ギガバイト)。これに対し、HD方式は、既存のDVDの製造ラインを転用でき、低価格化が可能というメリットがあった。記憶容量は30メガバイト。
新世代DVDの規格争いで思い出されるのは、1970~80年代の「VHS」対「ベータ」のビデオ戦争だ。このときはソニーが初めにベータ方式を商品化したが市場で縮小、ビクターが開発した後発のVHSへ転換するまで14年を要した。今回は、前回に敗者に回ったソニーのBD方式が規格提唱から5年、商品化からわずか2年で勝利したことになる。ちなみに、昨年10~12月の国内での新世代DVDレコーダーの販売台数は、ソニーが59.6%を占めたのをはじめ、BD方式の対応機がシェアする90%超で圧倒、HD方式の東芝は、3.8%にすぎなかった。
BD方式が世界規格として統一されるのは、米国の大手映画会社でDVDソフト最大手でもあるワーナー・ブラザースが、1月上旬にBD支持を表明したのが決め手となった。さらに20世紀フオックス、ウォルト・ディズニー、ライオンズゲートや小売り最大手のウォルマート・ストアーズ(2月15日に支持発表)が相次いで陣営に参加して、大勢が決した。HD方式の東芝はハード(機器)の特許料収入にこだわり、ワーナーを離反させ、日立製作所やシャープもBD側に移らせてしまうなど、陣営づくりに失敗したのが響いた。
複数の規格が対立した場合、製品化に先立って日本工業規格(JIS)のように国で統一したり、国際電気通信連合(ITU)などの国際機関で話し合うのが通例だ。今回のように市場競争に委ねたのは、技術開発のテンポが早く、客観的な優劣は消費者の選択に任せたほうが賢明だということがあった。しかし、決着がついたことで、今後はHD方式のユーザーが不利になる恐れがあり、東芝は生産販売中止後も、録画用DVDディスクの補充品を8年間保管するなどの顧客対策を行う方針だ。なお、これまでにHD方式の対応機は、世界でプレーヤーが約100万台、レコーダーが約2万台販売されている。
素人的に考えると、(漁船が)レーダーに映らなかったのか。万一、自爆テロの船だったらどうするのか
「素人的に考えると、(漁船が)レーダーに映らなかったのか。万一、自爆テロの船だったらどうするのか」 (毎日新聞2月20日付)
渡辺喜美・金融行革担当大臣
2月19日早朝、千葉沖で自衛隊のイージス艦が漁船と衝突、乗っていた親子2人が行方不明になった事件を受け、閣議後の記者会見で海自の危機対応能力に疑問を呈した。
漁船と衝突したイージス艦「あたご」は、全長165m、幅21m、排水量7750tの国内最大の護衛艦。ハワイ沖で対空ミサイルSM2の発射訓練を行い、3カ月ぶりで神奈川県・横須賀に帰港する途中だった。
防衛省の当初の発表によると、あたごは衝突の2分前、海上にぼんやりとした緑色の光を確認したが船舶とは思わず、緑の光が加速して目の前を横切ろうとした1分前に、はじめて船舶だと気づいたという。このとき二つの船の間は約100m。漁船は右に大きく舵を切り、あたごも全力で後進をはじめたが、惰性で前進し、そのまま、あたごの船首右部分が漁船の左側面に激突したということだった。
転覆した漁船は、マグロはえ縄漁船「清徳丸」。仲間の船と船団を組んで、勝浦市・川津港から三宅島方面に向かう途中だった。海上衝突予防法によれば、あたごが清徳丸を右に見ていたとすると、あたご側に回避義務がある。このため横須賀海上保安部は、19日夕、業務上過失往来危険容疑で、横須賀基地に接岸しているあたごの艦内を家宅捜索し、事情聴取を開始した。
イージス艦の「イージス」とは、ギリシャ神話にでてくる、ゼウスが娘に贈った盾を意味する言葉だ。100以上の敵のミサイルや航空機を同時に探知・捕捉、コンピューターで瞬時に解析しミサイルで迎撃するというシステムをもつ最新鋭の護衛艦で、日米両国が進めるMD(ミサイル・ディフェンス)の中心的存在である。
船団が帰港した後の記者会見では、外記栄太郎組合長が「ミサイルを瞬時で打ち落とせるような優秀な船が、なんで漁船に気づかなかったのか。自衛隊には、たるんでる、と文句をいいたい」と憤った。行方不明になった乗組員2人の安否が気がかりだが、国民のなかには、冒頭の渡辺行革担当相と同様の感想をいだいた人も多かったろう。
防衛省は20日夕方になって、あたごの見張り員は衝突12分前にすでに漁船の灯火を視認していたと訂正した。直前まで回避行動をとれなかったのはなぜか、が今後の捜査の焦点だが、専門家の間では、視認したのは12分よりももっと前ではないかという見方も出ている。
事故後、石破防衛相は、自身に一報が届くのに1時間半もかかったことを「遅い」として「とりあえずの第一報は、もっと早く入るべきだ。危機管理上もっと時間は短縮できるはずだ」と防衛省の対応を批判した。その後、省内の連絡体制の抜本的な見直しに言及しているが、いまのところ辞任する考えはなさそうだ。
1988年、「なだしお事件」が起きたときには、瓦力防衛庁長官が引責辞任している。防衛省の綱紀の緩みが構造的な原因だとすれば、その責任は、まさにその長たる大臣に帰するはずである。すでに野党からは辞任要求が出されており、与党からも「処分はあってしかるべし」(北側公明党幹事長)の声があがっている。
福田首相は「自衛隊、防衛省の人は、何が大事かということをよく考え、どう対応すべきかを考えてほしい」と感想をもらしたが、まるで他人ごと、TVコメンテーターのような発言だった。イザというときの自衛隊の最高司令官は、福田首相本人なのである。石破防衛相の辞任があろうがなかろうが、今回の事故が福田内閣にとって強い逆風となることは明らかだ。
渡辺喜美・金融行革担当大臣
2月19日早朝、千葉沖で自衛隊のイージス艦が漁船と衝突、乗っていた親子2人が行方不明になった事件を受け、閣議後の記者会見で海自の危機対応能力に疑問を呈した。
漁船と衝突したイージス艦「あたご」は、全長165m、幅21m、排水量7750tの国内最大の護衛艦。ハワイ沖で対空ミサイルSM2の発射訓練を行い、3カ月ぶりで神奈川県・横須賀に帰港する途中だった。
防衛省の当初の発表によると、あたごは衝突の2分前、海上にぼんやりとした緑色の光を確認したが船舶とは思わず、緑の光が加速して目の前を横切ろうとした1分前に、はじめて船舶だと気づいたという。このとき二つの船の間は約100m。漁船は右に大きく舵を切り、あたごも全力で後進をはじめたが、惰性で前進し、そのまま、あたごの船首右部分が漁船の左側面に激突したということだった。
転覆した漁船は、マグロはえ縄漁船「清徳丸」。仲間の船と船団を組んで、勝浦市・川津港から三宅島方面に向かう途中だった。海上衝突予防法によれば、あたごが清徳丸を右に見ていたとすると、あたご側に回避義務がある。このため横須賀海上保安部は、19日夕、業務上過失往来危険容疑で、横須賀基地に接岸しているあたごの艦内を家宅捜索し、事情聴取を開始した。
イージス艦の「イージス」とは、ギリシャ神話にでてくる、ゼウスが娘に贈った盾を意味する言葉だ。100以上の敵のミサイルや航空機を同時に探知・捕捉、コンピューターで瞬時に解析しミサイルで迎撃するというシステムをもつ最新鋭の護衛艦で、日米両国が進めるMD(ミサイル・ディフェンス)の中心的存在である。
船団が帰港した後の記者会見では、外記栄太郎組合長が「ミサイルを瞬時で打ち落とせるような優秀な船が、なんで漁船に気づかなかったのか。自衛隊には、たるんでる、と文句をいいたい」と憤った。行方不明になった乗組員2人の安否が気がかりだが、国民のなかには、冒頭の渡辺行革担当相と同様の感想をいだいた人も多かったろう。
防衛省は20日夕方になって、あたごの見張り員は衝突12分前にすでに漁船の灯火を視認していたと訂正した。直前まで回避行動をとれなかったのはなぜか、が今後の捜査の焦点だが、専門家の間では、視認したのは12分よりももっと前ではないかという見方も出ている。
事故後、石破防衛相は、自身に一報が届くのに1時間半もかかったことを「遅い」として「とりあえずの第一報は、もっと早く入るべきだ。危機管理上もっと時間は短縮できるはずだ」と防衛省の対応を批判した。その後、省内の連絡体制の抜本的な見直しに言及しているが、いまのところ辞任する考えはなさそうだ。
1988年、「なだしお事件」が起きたときには、瓦力防衛庁長官が引責辞任している。防衛省の綱紀の緩みが構造的な原因だとすれば、その責任は、まさにその長たる大臣に帰するはずである。すでに野党からは辞任要求が出されており、与党からも「処分はあってしかるべし」(北側公明党幹事長)の声があがっている。
福田首相は「自衛隊、防衛省の人は、何が大事かということをよく考え、どう対応すべきかを考えてほしい」と感想をもらしたが、まるで他人ごと、TVコメンテーターのような発言だった。イザというときの自衛隊の最高司令官は、福田首相本人なのである。石破防衛相の辞任があろうがなかろうが、今回の事故が福田内閣にとって強い逆風となることは明らかだ。
2008年2月25日月曜日
空港外資規制は誰のためか
空港外資規制は誰のためか
2008.02.22 更新
*このコーナーでは、『日本の論点』スタッフライターや各分野のエキスパートが耳寄り情報、マル秘情報をもとに、政治・経済・外交・社会などの分野ごとに近未来を予測します。
外資による空港関連会社の株式保有比率を3分の1以下に制限する――国土交通省は今国会で、こんな規制を盛り込んだ空港整備法改正案の提出を目指している。念頭にあるのは、上場している羽田空港のビル運営会社と、来年度以降に上場・完全民営化する予定の成田空港だ。
導入の理由は大きく二つあるようだ。一つは外資に支配されることで、安全保障上の懸念が出てきたこと、もう一つは独占的な利益が追求され、利用者の利便性が失われるおそれがあるというのである。空港は代替のきかない国家の重要インフラであるだけに、こういう事態は避ける必要がある、という理屈だ。
たしかに海外でも、空港に規制を導入している例は少なくない。米国やフランスなど多くの国では、民営化せずに国や自治体などが管理している。あるいは中国の北京国際空港や豪州のシドニー空港のように、運営は民間企業ながら過半の株を政府が保有するなどの規制を設けているところもある。民間の運営で、かつ規制のない空港は、英国のヒースローなどごく少数だ。ちなみに同空港は現在、スペイン企業の傘下にある。
だが日本では、与党内や閣内、経済界から導入反対論が相次ぎ、法案の提出は見送られた。人口減少や低成長、財政難という大きな課題を抱える日本にとって、外資を誘導することは不可欠な成長戦略だ。それを阻害するような規制を設けることは、まさに自らの首を締めるようなもの、というわけである。
しかし、そもそも、なぜ規制の対象が「外資」なのかがわからない。悪意のある資本を警戒するのであれば、それは国内外を問わないはずだ。リスクを避けるなら、海外の多くの空港と同様、最初から上場などしなければいい。あるいは発行株の一定割合を国が保有するといった規制で十分ではないか。民営化して財政負担を軽くしたい、なるべく多くの株を発行して資金を集めたい、でも外資がまとめて買うのはダメ、ではムシがよすぎる。まるで攘夷思想だ。
国交省がこの規制の導入を急ぐのは、羽田空港のビル運営会社の株をすでに豪州のファンドが約20%保有しているからだといわれている。危機感の表れともいえるが、見方を変えれば"事後介入"の印象も拭えない。しかも空港関連施設とはいえ、滑走路や管制塔ではなく、あくまでも商業ビルの話だ。仮に外資の傘下に入ったとしても、安全保障上のリスクがあるとは考えにくい。
じつは同ビル運営会社も成田空港も、国交省OBの重要な天下り先になっている。外資を排除したいのは、その確保のためではないかとさえいわれている。仮に買収されても、それが国内企業なら手なずけることができる、という自信の裏返しかもしれない。
先月末、福田総理はダボス会議での講演で、「対日投資、貿易手続き、金融資本市場の改革等の市場開放努力をいっそう進め、日本を世界とともに成長する国」にすると宣言した。その舌の根も渇かぬうちの昨今の外資規制論議を、当の外国資本はどんな思いで見ているだろう。もはや、日本に注目する外資など希少かもしれないが。
(島田栄昭 しまだ・よしあき=『日本の論点』スタッフライター)
2008.02.22 更新
*このコーナーでは、『日本の論点』スタッフライターや各分野のエキスパートが耳寄り情報、マル秘情報をもとに、政治・経済・外交・社会などの分野ごとに近未来を予測します。
外資による空港関連会社の株式保有比率を3分の1以下に制限する――国土交通省は今国会で、こんな規制を盛り込んだ空港整備法改正案の提出を目指している。念頭にあるのは、上場している羽田空港のビル運営会社と、来年度以降に上場・完全民営化する予定の成田空港だ。
導入の理由は大きく二つあるようだ。一つは外資に支配されることで、安全保障上の懸念が出てきたこと、もう一つは独占的な利益が追求され、利用者の利便性が失われるおそれがあるというのである。空港は代替のきかない国家の重要インフラであるだけに、こういう事態は避ける必要がある、という理屈だ。
たしかに海外でも、空港に規制を導入している例は少なくない。米国やフランスなど多くの国では、民営化せずに国や自治体などが管理している。あるいは中国の北京国際空港や豪州のシドニー空港のように、運営は民間企業ながら過半の株を政府が保有するなどの規制を設けているところもある。民間の運営で、かつ規制のない空港は、英国のヒースローなどごく少数だ。ちなみに同空港は現在、スペイン企業の傘下にある。
だが日本では、与党内や閣内、経済界から導入反対論が相次ぎ、法案の提出は見送られた。人口減少や低成長、財政難という大きな課題を抱える日本にとって、外資を誘導することは不可欠な成長戦略だ。それを阻害するような規制を設けることは、まさに自らの首を締めるようなもの、というわけである。
しかし、そもそも、なぜ規制の対象が「外資」なのかがわからない。悪意のある資本を警戒するのであれば、それは国内外を問わないはずだ。リスクを避けるなら、海外の多くの空港と同様、最初から上場などしなければいい。あるいは発行株の一定割合を国が保有するといった規制で十分ではないか。民営化して財政負担を軽くしたい、なるべく多くの株を発行して資金を集めたい、でも外資がまとめて買うのはダメ、ではムシがよすぎる。まるで攘夷思想だ。
国交省がこの規制の導入を急ぐのは、羽田空港のビル運営会社の株をすでに豪州のファンドが約20%保有しているからだといわれている。危機感の表れともいえるが、見方を変えれば"事後介入"の印象も拭えない。しかも空港関連施設とはいえ、滑走路や管制塔ではなく、あくまでも商業ビルの話だ。仮に外資の傘下に入ったとしても、安全保障上のリスクがあるとは考えにくい。
じつは同ビル運営会社も成田空港も、国交省OBの重要な天下り先になっている。外資を排除したいのは、その確保のためではないかとさえいわれている。仮に買収されても、それが国内企業なら手なずけることができる、という自信の裏返しかもしれない。
先月末、福田総理はダボス会議での講演で、「対日投資、貿易手続き、金融資本市場の改革等の市場開放努力をいっそう進め、日本を世界とともに成長する国」にすると宣言した。その舌の根も渇かぬうちの昨今の外資規制論議を、当の外国資本はどんな思いで見ているだろう。もはや、日本に注目する外資など希少かもしれないが。
(島田栄昭 しまだ・よしあき=『日本の論点』スタッフライター)
[基礎知識]なぜいま日本的雇用が評価されているのか?
[日本的経営再評価についての基礎知識]
[基礎知識]なぜいま日本的雇用が評価されているのか?
日本企業の業績回復基調
景気回復の足かせとなっていた不良債権の処理にもようやく目処がつくとともに、中国特需を受けて、日本経済も上昇軌道に乗りつつある。東証一部上場企業の決算では、全体の経常利益額が二〇〇四年度決算から三年連続で過去最高を更新した。ここ数年来の採用不足を埋めるため新卒採用数を大幅に拡大したり、初任給を含めた給与水準が久々にアップする企業が続出している。
リストラや成果主義の影響
しかし、近年の企業収益の回復は、本格的な企業競争力の改善によって実現したのではなく、各社が緊急避難的に効率至上主義の米国的経営を採用したためとの懐疑的な意見も聞かれる。実際に、多くの企業ではリストラによる雇用調整(正社員の人員削減とパート・派遣社員の雇用拡大)が実施され、コスト削減が収益向上に直結した。さらに同時期に導入された成果賃金制も、当初は総人件費に対して中立という前提だったが、結果としてリストラと同様にコスト削減に寄与した。
米国的経営の導入は、日本企業に深刻な傷跡を残したとの批判も多い。収益回復の一方で、リストラで人手が減少したり、メンバーが大幅に交替した職場の環境は荒廃した。これに輪をかける形で、成果賃金制の導入は従業員の給与格差を拡大・顕在化させて、従業員間のチームワークや人間関係を破壊した。
不当解雇や超過残業、配置転換、さらには病気で倒れた人や自殺者をめぐる労災認定など、個人対企業の労使紛争も年々増加した。政府は、紛争の防止・解決の指針づくりとして「労働契約法」の制定を〇七年にも予定しているが、不当解雇者の金銭解決制度の導入是非など労使間での意見の隔たりは大きく、本格的な議論や法案作成には至っていない。
職場環境の激変を受けて、日本企業における従業員の仕事意欲や会社への忠誠心は大きく低下したとの指摘がある。野村総合研究所が〇五年一二月に発表した「仕事に対するモチベーションに関する調査」では、「現在の仕事に対して無気力を感じる人」は全体の七五%に達した。また今後の就業意向では、「定年まで(現在の会社に)勤めたい」人は全体の一八%にすぎず、機会があれば転職や独立を選択するという潜在的な転職志願者は全体の四四%にのぼった。このほか、〇五年三月に実施された米国ギャラップ社の世論調査でも、日本人の仕事への熱意や会社への帰属意識が世界でも最低のレベルであるとの結果が報告された。
日本的経営の功罪
米国的経営と日本的経営の違いは、経営思想の違いに由来する。前者では、企業は出資者である株主のもので、経営者や従業員は株主から預かった資産を有効に活用するために雇用された代理人であるとの考え方、つまり「資本主義」が支配的である。いっぽう、後者では一時的な株式所有者に比べて、終身雇用の従業員のほうが企業に対してのコミットメントは強いとの考えが前提にある。さらに歴代の経営者は内部昇進者が多く、経営者も従業員も同じ仲間だとする意識がある。こうした企業では従業員重視の「人本主義」が選択されがちである(伊丹敬之『人本主義企業―変わる経営 変わらぬ原理』筑摩書房)。人材に対する両者の考え方の隔たりは、きわめて大きい。米国型では人材は入れ替え可能な変動費の扱いであるのに対して、日本型では貴重な経営資源であるがゆえに固定費とされるのである。
日本的経営は、戦後の高度経済成長期に定着した。日本企業は年々拡大する業務に対応するため、大量の人材を定期採用するとともに、社外への人材流出を防ぐために終身雇用の保障以外に、勤続年数によって高くなる年功賃金・退職金制度、さらには手厚い福利厚生など従業員重視の各種施策を実施した。従業員の会社への忠誠心が強まるとともに、安心して知識習得に励み、自己の修得した技能を惜しげもなく仲間や下の世代に伝承して、会社全体の技能向上にも貢献した。
いっぽうで、日本的経営は弊害も発生させた。第一に、待遇にほとんど格差がないため社内の緊張感が薄れ、ぬるま湯的な企業体質になりがちなことである。自己の能力研鑽を怠る人材が発生し、その多くは企業における余剰人材となった。第二に、多くの人が長期にわたって社内にとどまることから、社内に同質的な人材があふれ、異質や異端の人材の存在を許容しない風土や意識を作り上げてしまったことである。九〇年代以降の長期的不況が、こうした弊害による企業への損失を過大なものとし、家族主義的な要素が残る日本的経営の存続を困難なものとしたのである。
従業員重視の経営の再評価
日本企業の多くが今日、米国的経営への転換を行いつつあるなかで、依然として日本的経営の有用性を指摘する経営者や企業が存在する。キヤノンの御手洗冨士夫社長はその代表格である。トヨタ自動車の奥田碩前会長も会長時代に、企業は働く人がいて初めて成り立つものであり、経営者は安易な人員削減をすべきではない旨の発言を繰り返し行っていた。後継の張富士夫会長も、「トヨタウェイという考え方(「知恵と改善」と「人間性重視」を柱としたトヨタ経営の信念・価値観を明文化したもの)」を若い世代の従業員に伝えることが自分の任務としている(水島愛一朗『トヨタの「カイゼン伝道師」が現場を甦らせる!』日本実業出版社)。世界最大の製薬会社の日本法人である日本ファイザーの場合は、業績向上のために米国的経営を〇五年に導入したものの、従業員の不信と混乱を煽る結果となり、翌年には経費削減に対して人員整理ではなく労使一体で取り組む日本的経営に回帰した。
さらに皮肉なことに、米国で近年、企業のステークホルダー(利害関係者)として従業員を第一に考える企業が増えてきている。これは「フォーチュン」誌が毎年一月に発表する「最も働きがいのある会社ベスト一〇〇」などから浮き彫りにされる傾向で、従業員のやる気・働きがいを高めて最大限のパフォーマンスを引き出すことが、結果として会社の経営業績を高めるとの考えから、仕事意欲を喚起したり働きやすさの向上を図る制度を導入する企業が目立っているのである(「日経ビジネス」〇六年六月五日号)。こうした動きは、競争力の源泉が研究開発や営業、企画など人的資源に負うと考えている企業ほど顕著である。
こうしてみると、日本企業も一層の競争力強化のために従業員の働きがいや忠誠心など従業員との関係を再構築することが重要となってきている。また、その前提として、日本的と米国的の二つの経営スタイルの間を右往左往するのではなく、まず自らの経営スタイルを確立することが必要となってこよう。
[基礎知識]なぜいま日本的雇用が評価されているのか?
日本企業の業績回復基調
景気回復の足かせとなっていた不良債権の処理にもようやく目処がつくとともに、中国特需を受けて、日本経済も上昇軌道に乗りつつある。東証一部上場企業の決算では、全体の経常利益額が二〇〇四年度決算から三年連続で過去最高を更新した。ここ数年来の採用不足を埋めるため新卒採用数を大幅に拡大したり、初任給を含めた給与水準が久々にアップする企業が続出している。
リストラや成果主義の影響
しかし、近年の企業収益の回復は、本格的な企業競争力の改善によって実現したのではなく、各社が緊急避難的に効率至上主義の米国的経営を採用したためとの懐疑的な意見も聞かれる。実際に、多くの企業ではリストラによる雇用調整(正社員の人員削減とパート・派遣社員の雇用拡大)が実施され、コスト削減が収益向上に直結した。さらに同時期に導入された成果賃金制も、当初は総人件費に対して中立という前提だったが、結果としてリストラと同様にコスト削減に寄与した。
米国的経営の導入は、日本企業に深刻な傷跡を残したとの批判も多い。収益回復の一方で、リストラで人手が減少したり、メンバーが大幅に交替した職場の環境は荒廃した。これに輪をかける形で、成果賃金制の導入は従業員の給与格差を拡大・顕在化させて、従業員間のチームワークや人間関係を破壊した。
不当解雇や超過残業、配置転換、さらには病気で倒れた人や自殺者をめぐる労災認定など、個人対企業の労使紛争も年々増加した。政府は、紛争の防止・解決の指針づくりとして「労働契約法」の制定を〇七年にも予定しているが、不当解雇者の金銭解決制度の導入是非など労使間での意見の隔たりは大きく、本格的な議論や法案作成には至っていない。
職場環境の激変を受けて、日本企業における従業員の仕事意欲や会社への忠誠心は大きく低下したとの指摘がある。野村総合研究所が〇五年一二月に発表した「仕事に対するモチベーションに関する調査」では、「現在の仕事に対して無気力を感じる人」は全体の七五%に達した。また今後の就業意向では、「定年まで(現在の会社に)勤めたい」人は全体の一八%にすぎず、機会があれば転職や独立を選択するという潜在的な転職志願者は全体の四四%にのぼった。このほか、〇五年三月に実施された米国ギャラップ社の世論調査でも、日本人の仕事への熱意や会社への帰属意識が世界でも最低のレベルであるとの結果が報告された。
日本的経営の功罪
米国的経営と日本的経営の違いは、経営思想の違いに由来する。前者では、企業は出資者である株主のもので、経営者や従業員は株主から預かった資産を有効に活用するために雇用された代理人であるとの考え方、つまり「資本主義」が支配的である。いっぽう、後者では一時的な株式所有者に比べて、終身雇用の従業員のほうが企業に対してのコミットメントは強いとの考えが前提にある。さらに歴代の経営者は内部昇進者が多く、経営者も従業員も同じ仲間だとする意識がある。こうした企業では従業員重視の「人本主義」が選択されがちである(伊丹敬之『人本主義企業―変わる経営 変わらぬ原理』筑摩書房)。人材に対する両者の考え方の隔たりは、きわめて大きい。米国型では人材は入れ替え可能な変動費の扱いであるのに対して、日本型では貴重な経営資源であるがゆえに固定費とされるのである。
日本的経営は、戦後の高度経済成長期に定着した。日本企業は年々拡大する業務に対応するため、大量の人材を定期採用するとともに、社外への人材流出を防ぐために終身雇用の保障以外に、勤続年数によって高くなる年功賃金・退職金制度、さらには手厚い福利厚生など従業員重視の各種施策を実施した。従業員の会社への忠誠心が強まるとともに、安心して知識習得に励み、自己の修得した技能を惜しげもなく仲間や下の世代に伝承して、会社全体の技能向上にも貢献した。
いっぽうで、日本的経営は弊害も発生させた。第一に、待遇にほとんど格差がないため社内の緊張感が薄れ、ぬるま湯的な企業体質になりがちなことである。自己の能力研鑽を怠る人材が発生し、その多くは企業における余剰人材となった。第二に、多くの人が長期にわたって社内にとどまることから、社内に同質的な人材があふれ、異質や異端の人材の存在を許容しない風土や意識を作り上げてしまったことである。九〇年代以降の長期的不況が、こうした弊害による企業への損失を過大なものとし、家族主義的な要素が残る日本的経営の存続を困難なものとしたのである。
従業員重視の経営の再評価
日本企業の多くが今日、米国的経営への転換を行いつつあるなかで、依然として日本的経営の有用性を指摘する経営者や企業が存在する。キヤノンの御手洗冨士夫社長はその代表格である。トヨタ自動車の奥田碩前会長も会長時代に、企業は働く人がいて初めて成り立つものであり、経営者は安易な人員削減をすべきではない旨の発言を繰り返し行っていた。後継の張富士夫会長も、「トヨタウェイという考え方(「知恵と改善」と「人間性重視」を柱としたトヨタ経営の信念・価値観を明文化したもの)」を若い世代の従業員に伝えることが自分の任務としている(水島愛一朗『トヨタの「カイゼン伝道師」が現場を甦らせる!』日本実業出版社)。世界最大の製薬会社の日本法人である日本ファイザーの場合は、業績向上のために米国的経営を〇五年に導入したものの、従業員の不信と混乱を煽る結果となり、翌年には経費削減に対して人員整理ではなく労使一体で取り組む日本的経営に回帰した。
さらに皮肉なことに、米国で近年、企業のステークホルダー(利害関係者)として従業員を第一に考える企業が増えてきている。これは「フォーチュン」誌が毎年一月に発表する「最も働きがいのある会社ベスト一〇〇」などから浮き彫りにされる傾向で、従業員のやる気・働きがいを高めて最大限のパフォーマンスを引き出すことが、結果として会社の経営業績を高めるとの考えから、仕事意欲を喚起したり働きやすさの向上を図る制度を導入する企業が目立っているのである(「日経ビジネス」〇六年六月五日号)。こうした動きは、競争力の源泉が研究開発や営業、企画など人的資源に負うと考えている企業ほど顕著である。
こうしてみると、日本企業も一層の競争力強化のために従業員の働きがいや忠誠心など従業員との関係を再構築することが重要となってきている。また、その前提として、日本的と米国的の二つの経営スタイルの間を右往左往するのではなく、まず自らの経営スタイルを確立することが必要となってこよう。
成果は問うが雇用は守る――キヤノン流「運命共同体経営」の挑戦
成果は問うが雇用は守る――キヤノン流「運命共同体経営」の挑戦
[日本的経営再評価についての基礎知識] >>>
みたらい・ふじお
御手洗冨士夫 (キヤノン会長)
▼プロフィールを見る
グローバルスタンダード礼賛が招いたもの
一九九〇年代、バブル崩壊とその後のデフレ不況によって、世界経済の優等生だった日本企業の戦略はたちまち行き詰まった。資産価格の急落にともなうキャピタルロスが企業の財務を痛めつけ、質の高い労働力は、グローバル化の波に乗ってなだれ込む安価な中国製品と、その背景に存在する低賃金労働者の脅威にさらされた。
経営モデルを見失った日本では、「グローバルスタンダード」という言葉がもてはやされるようになった。徹底した成果主義や社外取締役制度などアメリカ流の経営手法がさかんに紹介され、いわゆる日本的経営はとうの昔に役割を終えたかのようにいわれたものだった。なかでも終身雇用制度は、集中攻撃を受けた。無駄な人件費がかさみ、組織が肥大化し、スピーディな経営ができないといった批判が繰り返された。
経営の余力を失っていた日本企業は、この機運に乗じ、「リストラ」と称して大規模な人員削減を行った。入社すれば「一生安泰」と思われていた優良企業でさえ、例外ではなかった。日本の失業率は七〇年代のオイルショックや八〇年代の円高不況のときでも三パーセントを超えることはなかったが、それが九五年には三・二パーセントに達し、二〇〇二年(平成一四年)にはついに五・四パーセントを記録。つねに五パーセント前後で推移するアメリカの失業率を上回った。
だからといって、「日本もグローバルスタンダードに追いついた」と喜ぶ人はまずいないだろう。雇用不安が社会にもたらす深刻な影響を、私たち日本人はこの数年間でまざまざと見せつけられてきたからだ。しかし一方、リストラを断行し、人件費の負担を軽減したことで、めざましい業績回復を遂げた企業もあった。
画期的な新商品を生み出す環境とは
はたして終身雇用は、ほんとうに時代おくれの間違った経営手法なのだろうか。
私は必ずしもそうは思わない。むしろ「日本で企業を経営するなら、終身雇用こそ相性の良い制度だ」とくり返し明言している。
一九九五年にキヤノンの社長に就任したとき、私が最初に手がけた大きな改革は、パソコン事業からの撤退であった。キヤノンは、コンピュータ事業を将来の成長分野と見込んで、七〇年代からいちはやく進出、優秀な人材と多額の資金を注ぎ込んでいた。ところが赤字は一〇年以上も続き、業界シェアもふるわなかった。NECや富士通のように自前のLSI(大規模集積回路)を開発・生産することもできなかった。会社の「全体最適」を考えれば、撤退は自明であった。
とはいえ、当時はマイクロソフト社の「ウィンドウズ95」が発売され、パソコンがまさに爆発的な普及を遂げた時期である。「黒字になるまで戻ってくるな」といわれてアメリカの開発子会社に送り出された出向社員のなかには、涙を流して抗議する者もいた。しかし私は、これを皮切りに七つの不採算部門を整理した。合計で年間七三〇億円の売り上げを失ったが、同時に、毎年二六〇億円の赤字を解消することに成功したのである。
事業を整理するにあたって、私は「終身雇用は維持する。だが、年功序列賃金は見直す」と宣言した。パソコン開発に没頭していた研究者たちは、泣く泣く他の部門に移っていった。
おりしもデジタル化の波はコピー機やカメラといったキヤノンの既存事業にも押し寄せていた。アナログの時代と違って、デジタルデータを取り扱うため、画像処理や圧縮、入出力するためにワンチップ化された専用システムLSIが必要となる。こうしたデバイスの開発にコンピュータの知識は欠かせない。彼らは、これまで身につけた技術をもとに、次々と画期的なキーコンポーネントを生み出していった。これがアメリカであれば、技術者たちは何のためらいもなく当社を去り、他社に転職していっただろう。
メーカーの製品開発には長期的な視野が欠かせない。キヤノンの主力商品である複写機は、開発に着手してから軌道に乗るまで二〇年かかった。バブルジェットプリンタは、着想から製品化までに一五年を要した。終身雇用という安定した環境があればこそ、技術者は腰をすえて困難なテーマに取り組むことができる。逆に技術者を切れば、その瞬間に、企業は長年培ってきた有形無形の知的財産を失ってしまうのだ。
ビジネスはグローバルでも経営はローカル
技術者だけではない。一九九八年、私は工場のベルトコンベアによる流れ作業を廃止し、セル生産方式の導入を試みた。これは、一つの製品を少人数のグループ(究極的にはたった一人)で最終段階まで組み立てる方式で、当社の生産効率を高めた画期的な生産方式である。しかし導入した当初はまったくうまくいかなかった。工場長が頭を抱えていると、現場の女性従業員たちが就業後、自主的に集まって解決策を模索し、「からくり」と呼ぶ手作りの作業道具まで開発して、驚くような成果を達成した。組織と自分を“運命共同体”と考える、日本人独特の農耕民族的な気質のなせるわざで、それは長期雇用が前提になる。その点、アメリカの企業社会はいかにも狩猟民族的だ。
私は六六年に、設立後間もないキヤノンUSAに出向し、以来二三年間をアメリカで過ごした。さまざまなカルチャーギャップを経験したが、一番驚いたのは、当初、アメリカ人社員には愛社精神が著しく欠如しているという現実だった。
はじめに経理部門を担当したのだが、セールスマンの領収書をチェックしていると、不正な経費が次々と出てくる。なかにはガールフレンドとの旅行の費用を、出張費として請求してくる輩もいた。私が憤然として追及すると、相手は「社長でもないのに、なぜそんなことをいうんだ。おまえもやればいいじゃないか」と開き直る。
業績が上がり、会社の名が知られるようになると、今度は手塩にかけた従業員が、「ミスター御手洗、あなたのおかげでこんな立派な会社からオファーがきた。ありがとう」と言って去っていく。「おめでとう」と握手を交わしながらも、私は何度となく腹立たしい思いで見送ったものである。
ビジネスはグローバルでも、会社の経営というものは、じつにローカルなものなのだ。私は七九年からキヤノンUSAの社長を一〇年間務めたが、アメリカでは徹底してアメリカ式の経営をした。しかし日本で、日本人を雇用して経営するなら、日本人の特性を生かすのが一番である。日本では、社員が安心して働けることが何よりも会社の力になる。私が終身雇用を維持するのは、好き嫌いではない。合理的な判断によるものだ。
社外取締役は必要ない
もっともアメリカでもエクセレントカンパニーと呼ばれる会社では、人の出入りが激しいというわけではない。優秀な人材のいる会社は、社員を大切にするし、社員もその企業の一員であることに愛着とプライドをもって働いている。実態としては日本の終身雇用にちかく、したがって社員教育への投資も無駄になりにくい。
日本の場合、問題なのは、それが年功序列の硬直した賃金体系と結びつき、ともすると仕事への緊張感を薄れさせるからだ。
キヤノンはもともと「健康第一主義」「新家族主義」「実力主義」を社是に掲げており、実力で社員を評価する伝統がある。さらに二〇〇一年からは「役割給」を導入、評価の基準を勤続年数や経験におくのではなく、仕事の成果のほうに比重を移すことにした。昇進についても、係長・課長代理の予備軍にあたるクラスまでは、筆記論文などの試験を課している。答案には氏名を書かず、試験番号だけを記すので客観的な評価が可能だ。こうした新しい制度の導入により、同期入社でも四〇歳程度で最大二倍の年収差がつくようになった。
管理職への昇進はアセスメントや人事考課で決まるが、私は、社員同士の信頼関係を最優先し、「業績だけで人物を評価するな」といっている。終身雇用制のもとで、長年にわたり上司や部下、他部署と、さまざまな視点からチェックされれば、当然、不正を見過ごすような人物が責任ある地位につくことはけっしてありえない。経団連会長としてコンプライアンスの徹底を訴えている私が、アメリカ式の社外取締役制度に必要性を感じないのは、そうした理由がある。
社員は、会社と自分が運命共同体だと思うことで安心して働くことができる。そうすれば、仕事に対するモチベーションはおのずと高まる。終身雇用制度は、失業率を抑制して社会の安定に寄与すると同時に、日本企業を新たな成長のステージへと押し上げるコア・コンピタンス――貴重な競争力の源泉になるのである。
[日本的経営再評価についての基礎知識] >>>
みたらい・ふじお
御手洗冨士夫 (キヤノン会長)
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グローバルスタンダード礼賛が招いたもの
一九九〇年代、バブル崩壊とその後のデフレ不況によって、世界経済の優等生だった日本企業の戦略はたちまち行き詰まった。資産価格の急落にともなうキャピタルロスが企業の財務を痛めつけ、質の高い労働力は、グローバル化の波に乗ってなだれ込む安価な中国製品と、その背景に存在する低賃金労働者の脅威にさらされた。
経営モデルを見失った日本では、「グローバルスタンダード」という言葉がもてはやされるようになった。徹底した成果主義や社外取締役制度などアメリカ流の経営手法がさかんに紹介され、いわゆる日本的経営はとうの昔に役割を終えたかのようにいわれたものだった。なかでも終身雇用制度は、集中攻撃を受けた。無駄な人件費がかさみ、組織が肥大化し、スピーディな経営ができないといった批判が繰り返された。
経営の余力を失っていた日本企業は、この機運に乗じ、「リストラ」と称して大規模な人員削減を行った。入社すれば「一生安泰」と思われていた優良企業でさえ、例外ではなかった。日本の失業率は七〇年代のオイルショックや八〇年代の円高不況のときでも三パーセントを超えることはなかったが、それが九五年には三・二パーセントに達し、二〇〇二年(平成一四年)にはついに五・四パーセントを記録。つねに五パーセント前後で推移するアメリカの失業率を上回った。
だからといって、「日本もグローバルスタンダードに追いついた」と喜ぶ人はまずいないだろう。雇用不安が社会にもたらす深刻な影響を、私たち日本人はこの数年間でまざまざと見せつけられてきたからだ。しかし一方、リストラを断行し、人件費の負担を軽減したことで、めざましい業績回復を遂げた企業もあった。
画期的な新商品を生み出す環境とは
はたして終身雇用は、ほんとうに時代おくれの間違った経営手法なのだろうか。
私は必ずしもそうは思わない。むしろ「日本で企業を経営するなら、終身雇用こそ相性の良い制度だ」とくり返し明言している。
一九九五年にキヤノンの社長に就任したとき、私が最初に手がけた大きな改革は、パソコン事業からの撤退であった。キヤノンは、コンピュータ事業を将来の成長分野と見込んで、七〇年代からいちはやく進出、優秀な人材と多額の資金を注ぎ込んでいた。ところが赤字は一〇年以上も続き、業界シェアもふるわなかった。NECや富士通のように自前のLSI(大規模集積回路)を開発・生産することもできなかった。会社の「全体最適」を考えれば、撤退は自明であった。
とはいえ、当時はマイクロソフト社の「ウィンドウズ95」が発売され、パソコンがまさに爆発的な普及を遂げた時期である。「黒字になるまで戻ってくるな」といわれてアメリカの開発子会社に送り出された出向社員のなかには、涙を流して抗議する者もいた。しかし私は、これを皮切りに七つの不採算部門を整理した。合計で年間七三〇億円の売り上げを失ったが、同時に、毎年二六〇億円の赤字を解消することに成功したのである。
事業を整理するにあたって、私は「終身雇用は維持する。だが、年功序列賃金は見直す」と宣言した。パソコン開発に没頭していた研究者たちは、泣く泣く他の部門に移っていった。
おりしもデジタル化の波はコピー機やカメラといったキヤノンの既存事業にも押し寄せていた。アナログの時代と違って、デジタルデータを取り扱うため、画像処理や圧縮、入出力するためにワンチップ化された専用システムLSIが必要となる。こうしたデバイスの開発にコンピュータの知識は欠かせない。彼らは、これまで身につけた技術をもとに、次々と画期的なキーコンポーネントを生み出していった。これがアメリカであれば、技術者たちは何のためらいもなく当社を去り、他社に転職していっただろう。
メーカーの製品開発には長期的な視野が欠かせない。キヤノンの主力商品である複写機は、開発に着手してから軌道に乗るまで二〇年かかった。バブルジェットプリンタは、着想から製品化までに一五年を要した。終身雇用という安定した環境があればこそ、技術者は腰をすえて困難なテーマに取り組むことができる。逆に技術者を切れば、その瞬間に、企業は長年培ってきた有形無形の知的財産を失ってしまうのだ。
ビジネスはグローバルでも経営はローカル
技術者だけではない。一九九八年、私は工場のベルトコンベアによる流れ作業を廃止し、セル生産方式の導入を試みた。これは、一つの製品を少人数のグループ(究極的にはたった一人)で最終段階まで組み立てる方式で、当社の生産効率を高めた画期的な生産方式である。しかし導入した当初はまったくうまくいかなかった。工場長が頭を抱えていると、現場の女性従業員たちが就業後、自主的に集まって解決策を模索し、「からくり」と呼ぶ手作りの作業道具まで開発して、驚くような成果を達成した。組織と自分を“運命共同体”と考える、日本人独特の農耕民族的な気質のなせるわざで、それは長期雇用が前提になる。その点、アメリカの企業社会はいかにも狩猟民族的だ。
私は六六年に、設立後間もないキヤノンUSAに出向し、以来二三年間をアメリカで過ごした。さまざまなカルチャーギャップを経験したが、一番驚いたのは、当初、アメリカ人社員には愛社精神が著しく欠如しているという現実だった。
はじめに経理部門を担当したのだが、セールスマンの領収書をチェックしていると、不正な経費が次々と出てくる。なかにはガールフレンドとの旅行の費用を、出張費として請求してくる輩もいた。私が憤然として追及すると、相手は「社長でもないのに、なぜそんなことをいうんだ。おまえもやればいいじゃないか」と開き直る。
業績が上がり、会社の名が知られるようになると、今度は手塩にかけた従業員が、「ミスター御手洗、あなたのおかげでこんな立派な会社からオファーがきた。ありがとう」と言って去っていく。「おめでとう」と握手を交わしながらも、私は何度となく腹立たしい思いで見送ったものである。
ビジネスはグローバルでも、会社の経営というものは、じつにローカルなものなのだ。私は七九年からキヤノンUSAの社長を一〇年間務めたが、アメリカでは徹底してアメリカ式の経営をした。しかし日本で、日本人を雇用して経営するなら、日本人の特性を生かすのが一番である。日本では、社員が安心して働けることが何よりも会社の力になる。私が終身雇用を維持するのは、好き嫌いではない。合理的な判断によるものだ。
社外取締役は必要ない
もっともアメリカでもエクセレントカンパニーと呼ばれる会社では、人の出入りが激しいというわけではない。優秀な人材のいる会社は、社員を大切にするし、社員もその企業の一員であることに愛着とプライドをもって働いている。実態としては日本の終身雇用にちかく、したがって社員教育への投資も無駄になりにくい。
日本の場合、問題なのは、それが年功序列の硬直した賃金体系と結びつき、ともすると仕事への緊張感を薄れさせるからだ。
キヤノンはもともと「健康第一主義」「新家族主義」「実力主義」を社是に掲げており、実力で社員を評価する伝統がある。さらに二〇〇一年からは「役割給」を導入、評価の基準を勤続年数や経験におくのではなく、仕事の成果のほうに比重を移すことにした。昇進についても、係長・課長代理の予備軍にあたるクラスまでは、筆記論文などの試験を課している。答案には氏名を書かず、試験番号だけを記すので客観的な評価が可能だ。こうした新しい制度の導入により、同期入社でも四〇歳程度で最大二倍の年収差がつくようになった。
管理職への昇進はアセスメントや人事考課で決まるが、私は、社員同士の信頼関係を最優先し、「業績だけで人物を評価するな」といっている。終身雇用制のもとで、長年にわたり上司や部下、他部署と、さまざまな視点からチェックされれば、当然、不正を見過ごすような人物が責任ある地位につくことはけっしてありえない。経団連会長としてコンプライアンスの徹底を訴えている私が、アメリカ式の社外取締役制度に必要性を感じないのは、そうした理由がある。
社員は、会社と自分が運命共同体だと思うことで安心して働くことができる。そうすれば、仕事に対するモチベーションはおのずと高まる。終身雇用制度は、失業率を抑制して社会の安定に寄与すると同時に、日本企業を新たな成長のステージへと押し上げるコア・コンピタンス――貴重な競争力の源泉になるのである。
論 点 御手洗冨士夫「日本的経営の極意とは何か」
日本の労働者の3人に1人が非正規雇用。正社員との賃金格差は社会的格差の拡大につながる。また企業内においては、技術の伝承に支障をきたし、仕事に対する忠誠心も育ちにくくなっている。アルバイト5000人の正社員化をすすめるユニクロ、9000人の期間従業員を労組に受け入れる方針を打ち出したトヨタ――いま、一部の企業で、非正規雇用化の流れに歯止めをかける新しい動きが始まった。かねて過度のリストラに批判的だったキヤノン会長が説く、日本的安定雇用の効用とは? | |
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2008年2月23日土曜日
Be Creative ~ HaruさんのMOT受験経験
早稲田大学大学院、合格!!!
会社を夕方抜け出して、西早稲田校舎まで見に行ってきました。
早稲田大学大学院アジア太平洋研究科国際経営学専攻(MBA)
合格!!!
やったね
興奮していたせいか、とった写真が少しブレてます(笑)
今日、結果を見にいけなかった皆さん、クリックで拡大画像が見れますので、よろしければどうぞ。
17:00すぎという、なんとも中途半端な時間に見に行ったせいか、ほかの受験生らしきひとは見当たらず。小さくガッツポーズを決めて、西早稲田校舎を後にしたのでした。
これがゴールではないにしろ、むしろスタート地点にたっただけなのですが、めっちゃうれしい。
このブログを通じて知り合った人たちと情報交換したり、アドバイスをもらったり、人によっては私の研究計画書のプルーフリードをしてくれたり、本当にありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。
昨年(2005年)9月ごろはじめたブログですが、すでにカウンターは5000を越えました。自分で情報発信することで、逆に情報を得られるんだなぁ、と最近実感しています。これからもMBAに関すること、自分の専門エリアのことを中心に書き続けていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
haru0319 at 18:13|この記事のURL │Comments(19) │TrackBack(0)
February 13, 2006
とりあえず、早稲田2次試験終了
2006年2月12日、北風が吹きすさぶ寒い中、早稲田大学大学院アジ太(※)の2次試験を受けてきました。
朝8:40に集合。人数は・・・・結構多い。60名程度いたでしょうか。しかもマジョリティは男性。女性は私含め、10名以内。明らかに外国籍だとわかる風貌2名。でも、英語で会話をしていたアジア人を数人目撃したので、外国籍の人はもっと多かったのかも。これは、9月入学の受験者もいるからですね。よって、試験監督からの説明も日本語と英語で行われました。
皆さんのOutfit(着ているもの)ですが、スーツの人がほとんど。しかも男性はほとんどが紺か黒のダークスーツ。女性は素材や色は様々でしたが、パンツスタイルの人が多かった気がします(私含め)。みんな、仕事をバキバキやってそう。
9:00より試験開始。
1時間でエッセイ(小論文)を書くというもの。4つのテーマから1つを選んで、1200字以内で論述します。結構面食らったテーマがいくつかありました(汗)。ま、ここらへんは時間があるときにでも。
で、自分の小論の評価ですが、内容(発想は着眼点)は悪くないと思うのですが、伝達効率がどうかと。ん?内容もヤバイかも? ああすればよかった こうすればよかったとネガティブなことばっかり考えてしまいそうなので、ここら辺でやめておきます。
あ、長さですが、1100~1200字くらいは埋めました。とりあえずコレだけは、問題なし!( ̄^ ̄)
どなたかブログで書かれていましたが、1時間という限られた時間内で文章を書くというのは、プレッシャーも大きく、文章のクオリティにも影響するので、私は苦手です。小論はもうコレっきりでおさらばしたいもんです。
ちなみに事前に「これは出そう!」と思ってヤマを張ったトピックはすべて当てがはずれ(トホホ)、その場で内容を考え、文章のアウトラインを作るという作業を行いました。(あたりまえか!)
10:30からは、面接。
1人につき3名の面接官。WBSのウェブサイトを参照したのですが、私の場合はO先生、H先生、H先生でした。聞かれた内容は以下のとおり。
1) BSで学びたいこと
2)個人としてWBSに貢献できること
3) (2の回答に対するカウンター)
4) 将来のキャリアについて (短期的、長期的)
5) 海外のMBAも目指せるのに何故国内か
6) 数学にがてでしょ?(研究がアカウンティングなので)エクセルは大丈夫?
人によっては、(2)や(6)が圧迫面接と感じるかもしれませんが、全体的には、提出した書類の内容と本人の話すことの整合性を見るのがメインで始終和やかな感じでした。質問に答えて、面接官がうなずくということの繰り返し。
(3)ですが、(2)に対する私の回答に関連して、意見を聞かれる感じ。(6)では、「(haru)さん、数学苦手でしょ?」という冒頭の言葉には少々面食らいました。(笑)
「え、今までの話し方でわかりますか? どうして分かったんですか?」なんて、逆に聞き返してしまったのだけれど、今考えてみれば、そんなこと分かるはずもなく(大学の成績だって数学は悪くなかったはず)わざとそういう質問をしてどういった反応がかえってくるか見ていたんでしょうね。
そんなこんな(?)で、面接は滞りなく10分以内でサクっと終了。もっと熱く語りたかったんだけどな・・・というのが、正直な感想。
そして、わたしは振り分けられた面接グループのトップバッターだったんで、10:45には、WBSの校舎を出ていました。
<余談> あ、そうそう。朝の同じバスに乗りあわせた方と少しお話したのですが、「もしかして、ブログ書いている人ですか?Be Creativeっていう」ってそのものズバリ当てられたのには正直びっくりしました~。こんな簡単に面が割れるとはハズかすぃ。こんな細々とやっているブログを見ている方がいらっしゃったんですね。ありがとうございます。Kさん、また会えるといいですね。
発表は16日。
このブログが途中で終わってしまうかもしれない危機をはらみつつ、2次試験報告まで。(合掌)
MOTへの道 ~ 小論文対策
MOTへの道 ~ 小論文対策
先日、ビジネススクールの合格発表が掲示されていました。4月から一緒に勉強させて頂く方々よろしくお願いします。よく考えれば今回の小論文対策は試験前に書いた方がよかったですね。 さて、独学で大学院入試を目指すにあたって、問題となるのは小論文対策と面接です。そこで、今回は私が行った小論文の対策方法について述べたいと思います。
後に紹介する本にも載っていますが、基本的に小論文は論文です。意見と合う、合わないでなく、課題に対する主張が論理的に展開されているかを求めるものです。小論文対策に入る前にロジカルシンキングで使われるMICEの考え方を学習しておく事をお勧めします。
私は3年ほど前に「ロジカルシンキング(著:照屋 華子、岡田 恵子:東洋経済新報社)」を読んでいましたので、それを復習したという感じです。ロジカルシンキングについてはたくさん書籍が出ていますので、本屋で立ち読みをして、とっつきやすい本から始めるのがいいと思います。)
さて、対策です。私の場合、まずは基本的な書き方を学習する為に、「社会人入試合格小論文(著:樋口裕一:学研)」「社会人入試の小論文の書き方(著:工藤美知尋:三修社)」「社会人入試の小論文-思考とメソッドのまとめ方(著:吉岡友治:実務教育出版)」を参考にしました。前者2作は大学入学がメインターゲットなので、大学院対策としては少し物足りないかもしれませんが、とっつきやすいので、小論文の勉強の最初のスタートには適していると思っています。(実は吉岡氏の著書では「~式」などと書かれている本は論理的ではないなどという批判的な文章が巻末に踊っているのですが…)
これらの本は例題と模範解答も載っているので、時間を決めて例題をこなしつつ、模範解答でどこが違うかの比較をしました。自分の受けたい分野と違う分野の小論文も多数掲載されていますが、小論文はあくまでも論文です。課題に対する意見を論理的に述べる練習をする訳ですから、分野が違っていてもいいのです。あとは時間をしっかりと計りました。当日、試験時間からどれくらいの規模の小論文を要求しているのか、もしくは書けるかが分かるからです。
前者を読んだ後に、後者を読み、こちらでも、ポイントを学習しながら、例題を解いていきます。どちらかというと前者に比べると、ちょっと読み応えがあるかなという感じです。
これら2書で一通り小論文の書き方を学んだら、次は実問題に入る事にしました。
先日、ビジネススクールの合格発表が掲示されていました。4月から一緒に勉強させて頂く方々よろしくお願いします。よく考えれば今回の小論文対策は試験前に書いた方がよかったですね。 さて、独学で大学院入試を目指すにあたって、問題となるのは小論文対策と面接です。そこで、今回は私が行った小論文の対策方法について述べたいと思います。
後に紹介する本にも載っていますが、基本的に小論文は論文です。意見と合う、合わないでなく、課題に対する主張が論理的に展開されているかを求めるものです。小論文対策に入る前にロジカルシンキングで使われるMICEの考え方を学習しておく事をお勧めします。
私は3年ほど前に「ロジカルシンキング(著:照屋 華子、岡田 恵子:東洋経済新報社)」を読んでいましたので、それを復習したという感じです。ロジカルシンキングについてはたくさん書籍が出ていますので、本屋で立ち読みをして、とっつきやすい本から始めるのがいいと思います。)
さて、対策です。私の場合、まずは基本的な書き方を学習する為に、「社会人入試合格小論文(著:樋口裕一:学研)」「社会人入試の小論文の書き方(著:工藤美知尋:三修社)」「社会人入試の小論文-思考とメソッドのまとめ方(著:吉岡友治:実務教育出版)」を参考にしました。前者2作は大学入学がメインターゲットなので、大学院対策としては少し物足りないかもしれませんが、とっつきやすいので、小論文の勉強の最初のスタートには適していると思っています。(実は吉岡氏の著書では「~式」などと書かれている本は論理的ではないなどという批判的な文章が巻末に踊っているのですが…)
これらの本は例題と模範解答も載っているので、時間を決めて例題をこなしつつ、模範解答でどこが違うかの比較をしました。自分の受けたい分野と違う分野の小論文も多数掲載されていますが、小論文はあくまでも論文です。課題に対する意見を論理的に述べる練習をする訳ですから、分野が違っていてもいいのです。あとは時間をしっかりと計りました。当日、試験時間からどれくらいの規模の小論文を要求しているのか、もしくは書けるかが分かるからです。
前者を読んだ後に、後者を読み、こちらでも、ポイントを学習しながら、例題を解いていきます。どちらかというと前者に比べると、ちょっと読み応えがあるかなという感じです。
これら2書で一通り小論文の書き方を学んだら、次は実問題に入る事にしました。
日本の論点2008
いまなぜ憲法9条なのか
内田樹(神戸女学院大教授)vs. 西部邁(評論家)
若者は格差社会に夢を持てるか
パックン(パトリック・ハーラン)vs.阿部真大(社会学者)
どうする? 企業防衛
真山仁(『ハゲタカ』著者)vs.數土文夫(JFEホールディングス社長)
拉致問題はどうすれば解決するか
姜尚中(東大教授)vs.荒木和博(特定失踪者問題調査会代表)
検察の正義とは何か
田中森一(元検事・『反転』著者)vs.堀田力(弁護士・元検事)
嵐山光三郎 内橋克人 香山リカ 姜尚中 マイケル・グリーン 櫻井よしこ 佐藤優 重村智計 高橋哲哉 財部誠一 竹中平蔵 田中森一 田原総一朗 手嶋龍一 中西輝政 橋下徹 長谷川滋利 パトリック・ハーラン 坂東眞理子 福岡伸一 溝口敦 森永卓郎 吉村作治 渡辺淳一 ほか
これからどうなる? 日本が直面する全課題と解決策を提示
「二大政党制は実現するか」「ブッシュ以後の日米同盟はどうなるか」「金正日の行動原理とは」「膨張するロシアにどう対抗するか」「少子化で経済はどうなるか」「投信ブームに落とし穴はないか」「成果主義は機能しているか」「社会保険庁をどう改革するか」「弁護士の使命とは何か」「イチャモン親がなぜ増えたのか」――これで2008年がわかる
内田樹(神戸女学院大教授)vs. 西部邁(評論家)
若者は格差社会に夢を持てるか
パックン(パトリック・ハーラン)vs.阿部真大(社会学者)
どうする? 企業防衛
真山仁(『ハゲタカ』著者)vs.數土文夫(JFEホールディングス社長)
拉致問題はどうすれば解決するか
姜尚中(東大教授)vs.荒木和博(特定失踪者問題調査会代表)
検察の正義とは何か
田中森一(元検事・『反転』著者)vs.堀田力(弁護士・元検事)
嵐山光三郎 内橋克人 香山リカ 姜尚中 マイケル・グリーン 櫻井よしこ 佐藤優 重村智計 高橋哲哉 財部誠一 竹中平蔵 田中森一 田原総一朗 手嶋龍一 中西輝政 橋下徹 長谷川滋利 パトリック・ハーラン 坂東眞理子 福岡伸一 溝口敦 森永卓郎 吉村作治 渡辺淳一 ほか
これからどうなる? 日本が直面する全課題と解決策を提示
「二大政党制は実現するか」「ブッシュ以後の日米同盟はどうなるか」「金正日の行動原理とは」「膨張するロシアにどう対抗するか」「少子化で経済はどうなるか」「投信ブームに落とし穴はないか」「成果主義は機能しているか」「社会保険庁をどう改革するか」「弁護士の使命とは何か」「イチャモン親がなぜ増えたのか」――これで2008年がわかる
2007年版日本の論点
信頼の「日本の論点」だからこそ勢揃いした豪華執筆陣!!
日本唯一の論争誌でしか読めない白熱の討論を多数収録!!
小論文の教科書として高校・予備校・大学で引っ張りだこ!!
具体的なデータ、詳細な解説、確実な予測があなたの議論を強くする!!
いま注目の話題、旬の筆者がわかる――講演や原稿依頼に最適の情報源!!
「格差社会」の驚くべき現実とは
佐野眞一(作家)vs 大竹文雄(大阪大学教授)
日本外交の軸はアメリカかアジアか
中西輝政(京都大学教授)vs 中西 寛(京都大学教授)
新しい日本的経営とは何か
御手洗冨士夫(キヤノン会長・日本経団連会長)
金正日総書記は何をしようとしているのか
重村智計(早稲田大学教授)vs 李鍾元(立教大学教授)
対中外交をどうすべきか
櫻井よしこ(ジャーナリスト)vs 莫邦富(ジャーナリスト)
領土問題と地域振興はどちらが大事か
勝谷誠彦(ジャーナリスト)vs 松村良幸(対馬市長)
昭和の戦争をどう総括すべきか
福田和也(文芸評論家)vs 東郷和彦(元外務省欧亜局長)
アメリカの市場開放要求には理があるか
関岡英之(『拒否できない日本』著者)
有効なニート支援は何か
本田由紀(東京大学助教授)vs 工藤定次(青少年自立援助センター理事長)
がん難民はなくせるか
山本孝史(がんを公表した参議院議員)vs 濃沼信夫(東北大学教授)
グレーゾーン金利撤廃に問題はないか
宇都宮健児(弁護士)vs 坂野友昭(早稲田大学教授)
ライブドア事件は検察ファシズムか
魚住 昭(ノンフィクション作家)vs 郷原信郎(元検事)
なぜいい子が親を殺すのか
岡田尊司(精神科医、『脳内汚染』著者)
スポーツ選手に品格は必要か
やくみつる(漫画家)
●親王誕生で皇室はどうなるか●靖国参拝問題をどう解決するか●中国経済はクラッシュするか●台頭するインドとどう付き合うか●日本は情報戦に勝てるか●専守防衛の範囲はどこまでか●9条改正で国際貢献をすべきか●政治とメディアの正しい関係とは●景気の好調はどこまで続くのか●市場をどう監視するか●非正規雇用の増加は何をもたらすか●本格的M&A時代にどう備えるか●消費税は何%が適当か●自治体の破産は続くか●ネット・ジャーナリズムは成功するか●知的財産保護はどうあるべきか●異常気象は地球温暖化が原因か●少子化対策は役に立っているか●医師の不足・偏在をどう解消するか●内臓脂肪は本当に怖いのか●小学校の英語必修化は正しいか●児童虐待はなぜ減らないのか●なぜ若者はカルトにひかれるのか●性同一性障害は認知されているか●オシムは日本サッカーに何をもたらすか●日本人力士の台頭はあるか──など、日本が直面する緊急課題と、その答えがここにある!
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2007年版
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2007年 新しい現実 社会が変質している 2007年版
論 点
私たちにとって国とは何か
[国家についての基礎知識]
[基礎知識]ナショナル・アイデンティティとは何か?
論 点
格差は実在するか
[格差論争についての基礎知識]
[基礎知識]格差の固定化は防げるか?
論 点
なぜ「よい子」が親を殺すのか
[家庭内殺人についての基礎知識]
[基礎知識]多発する親殺し――何が悲劇の引き金か?
論 点
市民に裁判員がつとまるか
[裁判員制度についての基礎知識]
[基礎知識]国民が裁判に参加しやすくなったか?
論 点
日本的経営の極意とは何か
[日本的経営再評価についての基礎知識]
[基礎知識]なぜいま日本的雇用が評価されているのか?
日米関係の座標 2007年版
論 点
日本外交の新展開とは
[外交の軸についての基礎知識]
[基礎知識]アジアと米国との外交のバランスをどうとるか?
論 点
米国は中国をどう見ているか
[米中関係についての基礎知識]
[基礎知識]米国が中国を「ステークホルダー」と呼ぶ意味とは?
論 点
米国はテロとどう戦うのか
[国連改革についての基礎知識]
[基礎知識]テロや核の脅威に国連は有効か?
北朝鮮の脅威 2007年版
論 点
金正日総書記の企図とは何か
[北朝鮮の核についての基礎知識]
[基礎知識]対話から圧力へ――対北朝鮮政策は効果があるか?
論 点
拉致被害者を取り戻すには
[拉致問題についての基礎知識]
[基礎知識]金英男氏登場は拉致問題にどう影響するか?
台頭する中国 2007年版
論 点
中国はクラッシュするか
[中国経済の現状についての基礎知識]
[基礎知識]中国は急成長による歪みを乗り切れるか?
論 点
対中外交をどう変えるか
[対中外交についての基礎知識]
[基礎知識]いままでとは違う日中友好の時代は来るのか?
論 点
中国人とのつき合い方とは
[中国的思考法についての基礎知識]
[基礎知識]中国人の考え方は日本人とどう違うのか?
アジア外交の未来 2007年版
論 点
北方領土は返ってくるか
[ロシア外交についての基礎知識]
[基礎知識]北方領土で漁船拿捕事件がなぜ起きるのか?
論 点
インドとどうつき合うか
[インドについての基礎知識]
[基礎知識]経済躍進と核保有 ――インドとはどんな国か?
憲法改正と安全保障 2007年版
論 点
憲法九条をどう改正すべきか
[憲法改正についての基礎知識]
[基礎知識]制定から六〇年 ――憲法改正の機は熟したか?
論 点
専守防衛の範囲はどこまでか
[先制攻撃についての基礎知識]
[基礎知識]敵基地攻撃能力の保有は現実的な選択なのか?
論 点
集団的自衛権を容認すべきか
[集団的自衛権についての基礎知識]
[基礎知識]集団的自衛権の行使は可能になるのか?
論 点
日本は情報戦に勝てるか
[インテリジェンスについての基礎知識]
[基礎知識]日本の対外情報機関は何をしているのか?
日本政治の新しい波 2007年版
論 点
政治はどこへ向かうのか
世界のなかの日本
世界のなかの日本
論 点
政治とメディアの正しい関係は
[政治とPRの関係についての基礎知識]
[基礎知識]メディアは政治を左右できるのか?
歴史認識とナショナリズム 2007年版
論 点
「あの戦争」をどう総括するか
[昭和の戦争についての基礎知識]
[基礎知識]「あの戦争」はどんな性格の戦争だったのか?
論 点
靖国問題をどう解決するか
[靖国問題についての基礎知識]
[基礎知識]靖国神社再編か、分祀か ――解決の道はあるのか?
論 点
皇位継承問題のゆくえは
[皇室典範改正についての基礎知識]
[基礎知識]親王誕生で皇太子夫妻の立場はどうなるのか?
論 点
領土問題か地域振興か
[日韓領土問題についての基礎知識]
[基礎知識]日本は韓国に領有権をいかに主張すべきか?
日本経済の明日 2007年版
論 点
好景気はいつまで続くか
[景気についての基礎知識]
[基礎知識]景気が減速することはないか?
論 点
原油高騰時代を生き残るには
[エネルギー戦略についての基礎知識]
[基礎知識]原油高騰が日本のエネルギーに与える影響は?
論 点
労働開国に盲点はないか
[外国人労働力導入についての基礎知識]
[基礎知識]日本は欧米型の移民社会になるのか?
論 点
グレーゾーン金利をどうする
[グレーゾーン金利についての基礎知識]
[基礎知識]多重債務問題 ――悪いのは貸し手か借り手か?
市場経済の現実 2007年版
論 点
規制緩和の進め方は正しいか
[規制緩和についての基礎知識]
[基礎知識]なぜ規制緩和に揺り戻しが起きているのか?
論 点
米の市場開放要求の狙いとは
[保険業界の再編についての基礎知識]
[基礎知識]日本の保険業界は外資の参入でどう変貌したか?
論 点
市場をどう監視するか
[市場監視についての基礎知識]
[基礎知識]ライブドア、村上ファンドの不祥事はなぜ起きたか?
投資とサービス 2007年版
論 点
投資ブームに陥穽はないか
[投資についての基礎知識]
[基礎知識]はたして日本人は投資に目覚めるのか?
論 点
金融教育は必要か
[金融教育についての基礎知識]
[基礎知識]学校で「お金の使い方・稼ぎ方」を教えるべきか?
論 点
銀行のサービスは向上したか
[預金者保護についての基礎知識]
[基礎知識]銀行の生体認証は本当に利用者の役に立つのか?
経営と企業倫理 2007年版
論 点
トップの引き際とは
[トップの引き際についての基礎知識]
[基礎知識]なぜカリスマ経営者が企業をだめにしたのか?
論 点
大買収時代にどう備えるか
[企業買収についての基礎知識]
[基礎知識]敵対的買収とは仁義なきマネーゲームか?
論 点
製品の事故はなぜ頻発するか
[企業不祥事についての基礎知識]
[基礎知識]続く重大事故――企業不祥事の責任はどこに?
財政と行政改革 2007年版
論 点
「小さな政府」を目指すべきか
[「小さな政府」についての基礎知識]
[基礎知識]行政改革はどこまで進んだのか?
論 点
日本の財政危機はどの程度か
[財政再建についての基礎知識]
[基礎知識]膨らむ財政赤字――なぜ危機感がないのか?
論 点
消費税増税は本当に必然か
[増税についての基礎知識]
[基礎知識]消費税率は何%が望ましいか?
都市と地域の再生 2007年版
論 点
地方交付税の配分の仕方とは
[地方交付税改革についての基礎知識]
[基礎知識]「新型交付税」導入で自治体運営はどうなるか?
論 点
自治体破綻時代を生きるには
[自治体破綻についての基礎知識]
[基礎知識]「第二の夕張」になるのは、どの自治体か?
論 点
道州制で何が変わるか
[道州制についての基礎知識]
[基礎知識]道州制導入はいつ具体化するのか?
論 点
NPOと行政、理想の協働は
[NPO活用についての基礎知識]
[基礎知識]NPOと行政の協働はどこまで進んでいるか?
論 点
都市の景観をどう守るか
[景観についての基礎知識]
[基礎知識]景観保護とコストとのバランスをどうとるか?
論 点
子どもの安全をいかに守るか
[子どもの安全についての基礎知識]
[基礎知識]子どもを犯罪から守る仕組みとは?
メディアとネット 2007年版
論 点
通信と放送の融合は可能か
[通信と放送の融合についての基礎知識]
[基礎知識]NTTとNHKの巨大組織を改革できるか?
論 点
地デジ開始に無理はないか
[地上デジタル放送についての基礎知識]
[基礎知識]放送の完全デジタル化で何が起きるか?
論 点
市民ジャーナリズムは可能か
[ネットジャーナリズムについての基礎知識]
[基礎知識]なぜブログやSNSが急成長したのか?
論 点
どうやって知財を保護するか
[著作権についての基礎知識]
[基礎知識]著作権保護と知財の推進は両立するか?
変動する地球環境 2007年版
論 点
異常気象の原因は何か
[地球温暖化についての基礎知識]
[基礎知識]集中豪雨と地球温暖化は関係があるのか?
論 点
どうすれば地震の減災は可能か
[地震減災についての基礎知識]
[基礎知識]首都直下地震発生 ――帰宅困難者はどうする?
論 点
生物多様性をどう守るか
[生物多様性についての基礎知識]
[基礎知識]外来生物規制によって何が起きているのか?
論 点
治水はどうあるべきか
[治水政策についての基礎知識]
[基礎知識]戦後の治水政策がなぜ見直しを迫られているのか?
少子高齢社会 2007年版
論 点
長生きは幸福か
[ヒトの寿命についての基礎知識]
[基礎知識]長生きするとはどういう意味か?
論 点
少子化対策は効果があるか
[少子化についての基礎知識]
[基礎知識]「女性が働きやすい社会」は「産みやすい社会」か?
論 点
医療保険制度を維持するには
[医療制度改革についての基礎知識]
[基礎知識]医療制度改革は弱者切り捨てか?
論 点
医師不足を解消できるか
[医師不足についての基礎知識]
[基礎知識]産科医・小児科医がなぜ不足するのか?
現代医療 2007年版
論 点
医療過誤の背景に何があるか
[医療過誤についての基礎知識]
[基礎知識]医療ミスが頻発するのはなぜか?
論 点
「がん難民」をなくせるか
[がん医療についての基礎知識]
[基礎知識]がん医療はどこまで進歩しているのか?
論 点
尊厳死を法制化すべきか
[尊厳死についての基礎知識]
[基礎知識]自分の死に方を自分で決めることができるか?
論 点
在宅死は可能か
[在宅死についての基礎知識]
[基礎知識]自宅で最期を迎えられる医療は到来するか?
論 点
内臓脂肪はどのくらい怖いか
[メタボリックシンドロームについての基礎知識]
[基礎知識]ウエスト八五センチ以上は本当に危険なのか?
教育の使命 2007年版
論 点
教育基本法が目指すべきは
[教育基本法改正についての基礎知識]
[基礎知識]教育基本法改正で愛国心は育まれるか?
論 点
学力低下をどう防ぐか
[教育改革についての基礎知識]
[基礎知識]学力を回復させる教育改革の中身とは?
論 点
小学校の英語教育は有効か
[英語必修化についての基礎知識]
[基礎知識]小学校英語をめぐる議論の経緯とは?
論 点
教員の質を向上させるには
[教員免許更新制についての基礎知識]
[基礎知識]教師の指導力はどのくらい低下しているか?
論 点
体罰は許されるか
[体罰と教育についての基礎知識]
[基礎知識]なぜ教育現場から体罰がなくならないか?
若者の不安 2007年版
論 点
有効なニート支援とは
[ニート対策についての基礎知識]
[基礎知識]ニートとはどんな若者たちのことか?
論 点
他人とうまくつき合うには
[対人関係についての基礎知識]
[基礎知識]若者のコミュニケーション能力はどのくらいか?
論 点
なぜカルトにひかれるのか
[カルト教団についての基礎知識]
[基礎知識]若者を狙うカルトの手口とは?
家庭の力 2007年版
論 点
家族とは何か
[家族についての基礎知識]
[基礎知識]理想の家族とは何か?
論 点
親が子を殺す理由とは何か
[児童虐待についての基礎知識]
[基礎知識]「しつけ」と称する虐待をどう止めるか?
論 点
本当の食育とは何か
[食育についての基礎知識]
[基礎知識]子どもたちは毎日どんな食事をしているのか?
法と犯罪 2007年版
論 点
犯罪少年の更生は可能か
[少年犯罪についての基礎知識]
[基礎知識]犯罪をめぐる議論は変わったか?
論 点
警察の捜査力がなぜ落ちたか
[警察不信についての基礎知識]
[基礎知識]捜査力低下 ――警察にいま何が起きているのか?
論 点
「検察の横暴」は本当か
[検察批判についての基礎知識]
[基礎知識]「国策捜査」とはどんな捜査か?
論 点
共謀罪は必要か
[共謀罪についての基礎知識]
[基礎知識]共謀罪創設でテロを未然に防げるか?
論 点
犯罪者の詐病は見破れるか
[犯罪者の詐病について基礎知識]
[基礎知識]精神鑑定はどこまで信用できるか?
論 点
飲酒運転の事故を防ぐには
[飲酒運転事故についての基礎知識]
[基礎知識]悪質な飲酒運転がなぜ横行するのか?
世相 2007年版
論 点
なぜ日本は自殺率が高いのか
[自殺についての基礎知識]
[基礎知識]自殺の予防対策はどこまで進んでいるか?
論 点
社会はマイノリティに温かいか
[性同一性障害についての基礎知識]
[基礎知識]「性」を自ら選べる社会はいつ来るのか?
論 点
団塊世代の影響力とは
[団塊世代についての基礎知識]
[基礎知識]団塊世代はどんな時代を生きてきたのか?
論 点
ギャンブル依存の何が危険か
[ギャンブル依存についての基礎知識]
[基礎知識]人はなぜギャンブルにのめりこむのか?
スポーツ 2007年版
論 点
スポーツ選手の品格とは
[アンチヒーローについての基礎知識]
[基礎知識]どんな悪役(ヒール)がプロスポーツ界を席捲してきたか?
論 点
オシムはサッカーの救世主か
[オシム・ジャパンについての基礎知識]
[基礎知識]四年後に向け日本代表が克服すべき課題とは?
論 点
日本人力士の復活はあるか
[大相撲人気についての基礎知識]
[基礎知識]強い日本人力士がいれば相撲人気は復活するか?
論 点
五輪開催の意義とは
[五輪招致についての基礎知識]
[基礎知識]東京は五輪招致レースに勝てるか?
論 点
プロ野球改革に何が必要か
[プロ野球改革についての基礎知識]
[基礎知識]プロ野球人気の回復に切り札はあるか?
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日本唯一の論争誌でしか読めない白熱の討論を多数収録!!
小論文の教科書として高校・予備校・大学で引っ張りだこ!!
具体的なデータ、詳細な解説、確実な予測があなたの議論を強くする!!
いま注目の話題、旬の筆者がわかる――講演や原稿依頼に最適の情報源!!
「格差社会」の驚くべき現実とは
佐野眞一(作家)vs 大竹文雄(大阪大学教授)
日本外交の軸はアメリカかアジアか
中西輝政(京都大学教授)vs 中西 寛(京都大学教授)
新しい日本的経営とは何か
御手洗冨士夫(キヤノン会長・日本経団連会長)
金正日総書記は何をしようとしているのか
重村智計(早稲田大学教授)vs 李鍾元(立教大学教授)
対中外交をどうすべきか
櫻井よしこ(ジャーナリスト)vs 莫邦富(ジャーナリスト)
領土問題と地域振興はどちらが大事か
勝谷誠彦(ジャーナリスト)vs 松村良幸(対馬市長)
昭和の戦争をどう総括すべきか
福田和也(文芸評論家)vs 東郷和彦(元外務省欧亜局長)
アメリカの市場開放要求には理があるか
関岡英之(『拒否できない日本』著者)
有効なニート支援は何か
本田由紀(東京大学助教授)vs 工藤定次(青少年自立援助センター理事長)
がん難民はなくせるか
山本孝史(がんを公表した参議院議員)vs 濃沼信夫(東北大学教授)
グレーゾーン金利撤廃に問題はないか
宇都宮健児(弁護士)vs 坂野友昭(早稲田大学教授)
ライブドア事件は検察ファシズムか
魚住 昭(ノンフィクション作家)vs 郷原信郎(元検事)
なぜいい子が親を殺すのか
岡田尊司(精神科医、『脳内汚染』著者)
スポーツ選手に品格は必要か
やくみつる(漫画家)
●親王誕生で皇室はどうなるか●靖国参拝問題をどう解決するか●中国経済はクラッシュするか●台頭するインドとどう付き合うか●日本は情報戦に勝てるか●専守防衛の範囲はどこまでか●9条改正で国際貢献をすべきか●政治とメディアの正しい関係とは●景気の好調はどこまで続くのか●市場をどう監視するか●非正規雇用の増加は何をもたらすか●本格的M&A時代にどう備えるか●消費税は何%が適当か●自治体の破産は続くか●ネット・ジャーナリズムは成功するか●知的財産保護はどうあるべきか●異常気象は地球温暖化が原因か●少子化対策は役に立っているか●医師の不足・偏在をどう解消するか●内臓脂肪は本当に怖いのか●小学校の英語必修化は正しいか●児童虐待はなぜ減らないのか●なぜ若者はカルトにひかれるのか●性同一性障害は認知されているか●オシムは日本サッカーに何をもたらすか●日本人力士の台頭はあるか──など、日本が直面する緊急課題と、その答えがここにある!
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インターネットバージョン
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2007年版
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2007年 新しい現実 社会が変質している 2007年版
論 点
私たちにとって国とは何か
[国家についての基礎知識]
[基礎知識]ナショナル・アイデンティティとは何か?
論 点
格差は実在するか
[格差論争についての基礎知識]
[基礎知識]格差の固定化は防げるか?
論 点
なぜ「よい子」が親を殺すのか
[家庭内殺人についての基礎知識]
[基礎知識]多発する親殺し――何が悲劇の引き金か?
論 点
市民に裁判員がつとまるか
[裁判員制度についての基礎知識]
[基礎知識]国民が裁判に参加しやすくなったか?
論 点
日本的経営の極意とは何か
[日本的経営再評価についての基礎知識]
[基礎知識]なぜいま日本的雇用が評価されているのか?
日米関係の座標 2007年版
論 点
日本外交の新展開とは
[外交の軸についての基礎知識]
[基礎知識]アジアと米国との外交のバランスをどうとるか?
論 点
米国は中国をどう見ているか
[米中関係についての基礎知識]
[基礎知識]米国が中国を「ステークホルダー」と呼ぶ意味とは?
論 点
米国はテロとどう戦うのか
[国連改革についての基礎知識]
[基礎知識]テロや核の脅威に国連は有効か?
北朝鮮の脅威 2007年版
論 点
金正日総書記の企図とは何か
[北朝鮮の核についての基礎知識]
[基礎知識]対話から圧力へ――対北朝鮮政策は効果があるか?
論 点
拉致被害者を取り戻すには
[拉致問題についての基礎知識]
[基礎知識]金英男氏登場は拉致問題にどう影響するか?
台頭する中国 2007年版
論 点
中国はクラッシュするか
[中国経済の現状についての基礎知識]
[基礎知識]中国は急成長による歪みを乗り切れるか?
論 点
対中外交をどう変えるか
[対中外交についての基礎知識]
[基礎知識]いままでとは違う日中友好の時代は来るのか?
論 点
中国人とのつき合い方とは
[中国的思考法についての基礎知識]
[基礎知識]中国人の考え方は日本人とどう違うのか?
アジア外交の未来 2007年版
論 点
北方領土は返ってくるか
[ロシア外交についての基礎知識]
[基礎知識]北方領土で漁船拿捕事件がなぜ起きるのか?
論 点
インドとどうつき合うか
[インドについての基礎知識]
[基礎知識]経済躍進と核保有 ――インドとはどんな国か?
憲法改正と安全保障 2007年版
論 点
憲法九条をどう改正すべきか
[憲法改正についての基礎知識]
[基礎知識]制定から六〇年 ――憲法改正の機は熟したか?
論 点
専守防衛の範囲はどこまでか
[先制攻撃についての基礎知識]
[基礎知識]敵基地攻撃能力の保有は現実的な選択なのか?
論 点
集団的自衛権を容認すべきか
[集団的自衛権についての基礎知識]
[基礎知識]集団的自衛権の行使は可能になるのか?
論 点
日本は情報戦に勝てるか
[インテリジェンスについての基礎知識]
[基礎知識]日本の対外情報機関は何をしているのか?
日本政治の新しい波 2007年版
論 点
政治はどこへ向かうのか
世界のなかの日本
世界のなかの日本
論 点
政治とメディアの正しい関係は
[政治とPRの関係についての基礎知識]
[基礎知識]メディアは政治を左右できるのか?
歴史認識とナショナリズム 2007年版
論 点
「あの戦争」をどう総括するか
[昭和の戦争についての基礎知識]
[基礎知識]「あの戦争」はどんな性格の戦争だったのか?
論 点
靖国問題をどう解決するか
[靖国問題についての基礎知識]
[基礎知識]靖国神社再編か、分祀か ――解決の道はあるのか?
論 点
皇位継承問題のゆくえは
[皇室典範改正についての基礎知識]
[基礎知識]親王誕生で皇太子夫妻の立場はどうなるのか?
論 点
領土問題か地域振興か
[日韓領土問題についての基礎知識]
[基礎知識]日本は韓国に領有権をいかに主張すべきか?
日本経済の明日 2007年版
論 点
好景気はいつまで続くか
[景気についての基礎知識]
[基礎知識]景気が減速することはないか?
論 点
原油高騰時代を生き残るには
[エネルギー戦略についての基礎知識]
[基礎知識]原油高騰が日本のエネルギーに与える影響は?
論 点
労働開国に盲点はないか
[外国人労働力導入についての基礎知識]
[基礎知識]日本は欧米型の移民社会になるのか?
論 点
グレーゾーン金利をどうする
[グレーゾーン金利についての基礎知識]
[基礎知識]多重債務問題 ――悪いのは貸し手か借り手か?
市場経済の現実 2007年版
論 点
規制緩和の進め方は正しいか
[規制緩和についての基礎知識]
[基礎知識]なぜ規制緩和に揺り戻しが起きているのか?
論 点
米の市場開放要求の狙いとは
[保険業界の再編についての基礎知識]
[基礎知識]日本の保険業界は外資の参入でどう変貌したか?
論 点
市場をどう監視するか
[市場監視についての基礎知識]
[基礎知識]ライブドア、村上ファンドの不祥事はなぜ起きたか?
投資とサービス 2007年版
論 点
投資ブームに陥穽はないか
[投資についての基礎知識]
[基礎知識]はたして日本人は投資に目覚めるのか?
論 点
金融教育は必要か
[金融教育についての基礎知識]
[基礎知識]学校で「お金の使い方・稼ぎ方」を教えるべきか?
論 点
銀行のサービスは向上したか
[預金者保護についての基礎知識]
[基礎知識]銀行の生体認証は本当に利用者の役に立つのか?
経営と企業倫理 2007年版
論 点
トップの引き際とは
[トップの引き際についての基礎知識]
[基礎知識]なぜカリスマ経営者が企業をだめにしたのか?
論 点
大買収時代にどう備えるか
[企業買収についての基礎知識]
[基礎知識]敵対的買収とは仁義なきマネーゲームか?
論 点
製品の事故はなぜ頻発するか
[企業不祥事についての基礎知識]
[基礎知識]続く重大事故――企業不祥事の責任はどこに?
財政と行政改革 2007年版
論 点
「小さな政府」を目指すべきか
[「小さな政府」についての基礎知識]
[基礎知識]行政改革はどこまで進んだのか?
論 点
日本の財政危機はどの程度か
[財政再建についての基礎知識]
[基礎知識]膨らむ財政赤字――なぜ危機感がないのか?
論 点
消費税増税は本当に必然か
[増税についての基礎知識]
[基礎知識]消費税率は何%が望ましいか?
都市と地域の再生 2007年版
論 点
地方交付税の配分の仕方とは
[地方交付税改革についての基礎知識]
[基礎知識]「新型交付税」導入で自治体運営はどうなるか?
論 点
自治体破綻時代を生きるには
[自治体破綻についての基礎知識]
[基礎知識]「第二の夕張」になるのは、どの自治体か?
論 点
道州制で何が変わるか
[道州制についての基礎知識]
[基礎知識]道州制導入はいつ具体化するのか?
論 点
NPOと行政、理想の協働は
[NPO活用についての基礎知識]
[基礎知識]NPOと行政の協働はどこまで進んでいるか?
論 点
都市の景観をどう守るか
[景観についての基礎知識]
[基礎知識]景観保護とコストとのバランスをどうとるか?
論 点
子どもの安全をいかに守るか
[子どもの安全についての基礎知識]
[基礎知識]子どもを犯罪から守る仕組みとは?
メディアとネット 2007年版
論 点
通信と放送の融合は可能か
[通信と放送の融合についての基礎知識]
[基礎知識]NTTとNHKの巨大組織を改革できるか?
論 点
地デジ開始に無理はないか
[地上デジタル放送についての基礎知識]
[基礎知識]放送の完全デジタル化で何が起きるか?
論 点
市民ジャーナリズムは可能か
[ネットジャーナリズムについての基礎知識]
[基礎知識]なぜブログやSNSが急成長したのか?
論 点
どうやって知財を保護するか
[著作権についての基礎知識]
[基礎知識]著作権保護と知財の推進は両立するか?
変動する地球環境 2007年版
論 点
異常気象の原因は何か
[地球温暖化についての基礎知識]
[基礎知識]集中豪雨と地球温暖化は関係があるのか?
論 点
どうすれば地震の減災は可能か
[地震減災についての基礎知識]
[基礎知識]首都直下地震発生 ――帰宅困難者はどうする?
論 点
生物多様性をどう守るか
[生物多様性についての基礎知識]
[基礎知識]外来生物規制によって何が起きているのか?
論 点
治水はどうあるべきか
[治水政策についての基礎知識]
[基礎知識]戦後の治水政策がなぜ見直しを迫られているのか?
少子高齢社会 2007年版
論 点
長生きは幸福か
[ヒトの寿命についての基礎知識]
[基礎知識]長生きするとはどういう意味か?
論 点
少子化対策は効果があるか
[少子化についての基礎知識]
[基礎知識]「女性が働きやすい社会」は「産みやすい社会」か?
論 点
医療保険制度を維持するには
[医療制度改革についての基礎知識]
[基礎知識]医療制度改革は弱者切り捨てか?
論 点
医師不足を解消できるか
[医師不足についての基礎知識]
[基礎知識]産科医・小児科医がなぜ不足するのか?
現代医療 2007年版
論 点
医療過誤の背景に何があるか
[医療過誤についての基礎知識]
[基礎知識]医療ミスが頻発するのはなぜか?
論 点
「がん難民」をなくせるか
[がん医療についての基礎知識]
[基礎知識]がん医療はどこまで進歩しているのか?
論 点
尊厳死を法制化すべきか
[尊厳死についての基礎知識]
[基礎知識]自分の死に方を自分で決めることができるか?
論 点
在宅死は可能か
[在宅死についての基礎知識]
[基礎知識]自宅で最期を迎えられる医療は到来するか?
論 点
内臓脂肪はどのくらい怖いか
[メタボリックシンドロームについての基礎知識]
[基礎知識]ウエスト八五センチ以上は本当に危険なのか?
教育の使命 2007年版
論 点
教育基本法が目指すべきは
[教育基本法改正についての基礎知識]
[基礎知識]教育基本法改正で愛国心は育まれるか?
論 点
学力低下をどう防ぐか
[教育改革についての基礎知識]
[基礎知識]学力を回復させる教育改革の中身とは?
論 点
小学校の英語教育は有効か
[英語必修化についての基礎知識]
[基礎知識]小学校英語をめぐる議論の経緯とは?
論 点
教員の質を向上させるには
[教員免許更新制についての基礎知識]
[基礎知識]教師の指導力はどのくらい低下しているか?
論 点
体罰は許されるか
[体罰と教育についての基礎知識]
[基礎知識]なぜ教育現場から体罰がなくならないか?
若者の不安 2007年版
論 点
有効なニート支援とは
[ニート対策についての基礎知識]
[基礎知識]ニートとはどんな若者たちのことか?
論 点
他人とうまくつき合うには
[対人関係についての基礎知識]
[基礎知識]若者のコミュニケーション能力はどのくらいか?
論 点
なぜカルトにひかれるのか
[カルト教団についての基礎知識]
[基礎知識]若者を狙うカルトの手口とは?
家庭の力 2007年版
論 点
家族とは何か
[家族についての基礎知識]
[基礎知識]理想の家族とは何か?
論 点
親が子を殺す理由とは何か
[児童虐待についての基礎知識]
[基礎知識]「しつけ」と称する虐待をどう止めるか?
論 点
本当の食育とは何か
[食育についての基礎知識]
[基礎知識]子どもたちは毎日どんな食事をしているのか?
法と犯罪 2007年版
論 点
犯罪少年の更生は可能か
[少年犯罪についての基礎知識]
[基礎知識]犯罪をめぐる議論は変わったか?
論 点
警察の捜査力がなぜ落ちたか
[警察不信についての基礎知識]
[基礎知識]捜査力低下 ――警察にいま何が起きているのか?
論 点
「検察の横暴」は本当か
[検察批判についての基礎知識]
[基礎知識]「国策捜査」とはどんな捜査か?
論 点
共謀罪は必要か
[共謀罪についての基礎知識]
[基礎知識]共謀罪創設でテロを未然に防げるか?
論 点
犯罪者の詐病は見破れるか
[犯罪者の詐病について基礎知識]
[基礎知識]精神鑑定はどこまで信用できるか?
論 点
飲酒運転の事故を防ぐには
[飲酒運転事故についての基礎知識]
[基礎知識]悪質な飲酒運転がなぜ横行するのか?
世相 2007年版
論 点
なぜ日本は自殺率が高いのか
[自殺についての基礎知識]
[基礎知識]自殺の予防対策はどこまで進んでいるか?
論 点
社会はマイノリティに温かいか
[性同一性障害についての基礎知識]
[基礎知識]「性」を自ら選べる社会はいつ来るのか?
論 点
団塊世代の影響力とは
[団塊世代についての基礎知識]
[基礎知識]団塊世代はどんな時代を生きてきたのか?
論 点
ギャンブル依存の何が危険か
[ギャンブル依存についての基礎知識]
[基礎知識]人はなぜギャンブルにのめりこむのか?
スポーツ 2007年版
論 点
スポーツ選手の品格とは
[アンチヒーローについての基礎知識]
[基礎知識]どんな悪役(ヒール)がプロスポーツ界を席捲してきたか?
論 点
オシムはサッカーの救世主か
[オシム・ジャパンについての基礎知識]
[基礎知識]四年後に向け日本代表が克服すべき課題とは?
論 点
日本人力士の復活はあるか
[大相撲人気についての基礎知識]
[基礎知識]強い日本人力士がいれば相撲人気は復活するか?
論 点
五輪開催の意義とは
[五輪招致についての基礎知識]
[基礎知識]東京は五輪招致レースに勝てるか?
論 点
プロ野球改革に何が必要か
[プロ野球改革についての基礎知識]
[基礎知識]プロ野球人気の回復に切り札はあるか?
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文藝春秋 日本の論点2006
日本の論点2006 総目次
■大項目へのJUMP■
(1)世代交代の現場(2)日米外交(3)緊迫の朝鮮半島(4)アジア外交(5)憲法と安全保障
(6)世代交代する日本政治(7)戦後の総括(8)ナショナリズム(9)経済回復と増税
(10)経営の革新(11)新しい働き方(12)行政改革(13)エネルギーと資源
(14)テロと危機管理(15)都市と地域の再生(16)ネット社会(17)知的財産
(18)環境保全(19)少子高齢化(20)現代医療(21)生命倫理(22)教育の可能性
(23)親と子(24)法制度(25)犯罪と償い(26)世相(27)スポーツ
(1)世代交代の現場 2006年新しい現実
論点1 団塊退職で日本はどうなる
団塊世代がまた時代を変える――自由と活力の「黄金の一〇年」が始まる(堺屋太一)
団塊老人が偉そうに闊歩する――「うっとうしい一〇年」がやってくる(小田嶋隆)
■データファイル 団塊世代の退職で技術・技能の伝承は大丈夫か?
論点2 勝ち組・負け組社会とは何か
景気回復では解消できない危機――それは若者が希望を失う社会の到来だ(山田昌弘)
■データファイル 日本社会の格差はどこまで広がったのか?
論点3 日本人アスリートが勝つには
武士道精神で勝つ――なぜ私がふたたび世界の舞台でメダルを獲れたか(為末 大 )
■データファイル 世界で勝てるランナーはどこがちがうのか?
論点4 問題生徒を立ち直らせるには
『普通』の生徒が危ない! 道を見失った子どもは大人の本気を待っている(義家弘介)
■データファイル なぜ学校で暴力事件が多発するのか?
論点5 敬語の乱れをどう考えるか
敬語はコミュニケーション上の調整手段と考えれば誤用も認められる(秋月高太郎)
敬語は「上下関係」の認識を表現する語彙の体系。乱れ容認論を排す(萩野貞樹 )
■データファイル 国語力の低下と敬語の乱れはどこまで進んだか?
(2)日米外交
論点6 外交の軸足は米国かアジアか
「膨張する中国」の脅威――日米同盟の重要性はかつてなく高まっている(中西輝政)
東アジア共同体を視野に日米同盟を活用し、バランスある能動的外交を(田中 均)
■データファイル 中・印の台頭に日本はどう対応するのか?
論点7 アメリカの本当の敵は誰か
アメリカの真の敵はテロリストとその支援国だ。中国もそうなる可能性大(ゲーリー・シュミット)
ベトナム戦争の失敗を繰り返すな。敵は特定の国ではないことを認識せよ(ジョン・ジュディス)
■データファイル アメリカはテロとの戦いから抜け出せるのか?
論点8 知日派を育てるべきか
堅固な日米関係を築くには少数の知日派育成より多数の関心を惹起すべし(阿川尚之)
■データファイル 米国の知日派とは何か? なぜ減っているのか?
(3)緊迫の朝鮮半島
論点9 金正日総書記の戦略とは何か
金正日は核を手放すつもりはない。核拡散を防ぐために日米同盟の強化を(重村智計)
■データファイル 北朝鮮への支援は核開発の放棄につながるか?
論点10 拉致被害の実態とは
拉致被害者の数一〇〇人以上。すべての人を救出する以外解決の道はない(荒木和博)
■データファイル 日本はなぜ拉致被害者を取り戻せないのか?
論点11 韓国の親北朝鮮の意味とは
危険! 韓国の北朝鮮化。中・朝・韓三国同盟が日本を包囲する恐れあり(萩原 遼)
■データファイル なぜ韓国は反日・親北に傾くのか?
(4)アジア外交
論点12 北方領土をどう取り戻すか
「潜在主権」の確認から切り込めばプーチン在任中に北方四島は取り戻せる(佐藤 優)
■データファイル 北方四島の返還交渉はなぜ行き詰まったのか?
論点13 東アジア共同体は実現するか
東アジアで欧州流の統合は不可能。だが経済・文化の共同歩調は意味がある(小倉和夫)
■データファイル 東アジア共同体構想を妨げる要因とは?
論点14 人民元切上げで何が起きるか
まだ「強い」人民元――タイミングを見はからい、大幅切上げの可能性あり(行天豊雄)
■データファイル 人民元切上げが世界経済に及ぼす影響は?
(5)憲法と安全保障
論点15 憲法前文を改めるべきか
憲法前文の本質は米帝による米定の日本国抹消案。あえて掲げるわが試案(西部 邁)
非戦のメッセージがこめられた現行憲法――前文を改める必要なし(渡辺 治)
■データファイル 各国の憲法は前文に何を盛り込んでいるか?
論点16 九条を改正すべきか
九条改正と基本法制定。この両輪なくして日本の安全保障は完成しない(村田晃嗣)
「一般市民を殺さない」国際貢献のためには九条を改正してはならない(伊勢崎賢治)
■データファイル 憲法九条改正で自衛隊は自衛軍になるのか?
論点17 米軍再編にどう対応すべきか
日本防衛の対象は日本周辺のみにあらず。世界規模の米軍再編と協同せよ(志方俊之)
米軍再編で自衛隊は米軍の一員になる。危険な集団的自衛権の行使は必至(前田哲男)
■データファイル 米軍再編で日本の負担は増えるのか?
論点18 文民統制はどうあるべきか
文民統制とは官僚支配のことではない。軍事を語れる政治家こそ必要(石破 茂)
■データファイル 制服組と背広組の間にはどんな対立があるのか?
(6)世代交代する日本政治
論点19 新リーダーの最優先政治課題
財政再建と年金改革そして憲法改正――これらはけっして手を緩めてはならない(安倍晋三)
グローバル化と人口減少社会では、簡素で効率的な政府の実現が不可欠(谷垣禎一)
税金の無駄遣いをなくし、税金の使い道を変える――行革なくして増税なし(前原誠司)
「坂の上の雲」を目指すより、縮小均衡で財政再建を達成するのが本道(枝野幸男)
国の事業はできるかぎり地方と民間に。そして憲法九条は自衛隊の明文化を(高木陽介)
リーダー交代。だが古い構造が壊れたあと彼らは国民に何を提示するのか(田原総一朗)
■データファイル '89~'05世界のなかの日本――「自立」への道のり
論点20 参議院の存在意義とは
「参議院が国会の暴走を防ぐ」は建て前。一院制こそが国会を機能させる(衛藤征士郎)
自ら参議院を形骸化させておいて、だから「無用」だと、何をいうか(荒井広幸)
■データファイル 参議院はほんとうに必要か――二院制とは何か?
(7)戦後の総括
論点21 太平洋戦争とは何だったのか
「あの戦争」を、侵略でもなく聖戦でもなく「歴史」として語り継ぐ時が来た(保阪正康)
アメリカ的歴史観が破綻したいま、「あの戦争」の本当の意味が見えてくる(佐伯啓思)
■データファイル 戦後、太平洋戦争はどのように解釈されてきたか?
論点22 東京裁判をどう評価すべきか
日本人よ、東京裁判と訣別せよ。過去への問いを歪めないために――(福田和也)
■データファイル 東京裁判は「勝者による復讐」だったのか?
論点23 靖国問題とは何か
国民の鎮魂――靖国神社とは、日本人の死生観と日本文明の象徴である(櫻井よしこ)
靖国問題の核心とは「A級戦犯」分祀ではなく、政教分離原則の変更だ(高橋哲哉)
■データファイル 首相の靖国参拝の何が問題なのか?
(8)ナショナリズム
論点24 日本人にとって皇室とは何か
短絡すぎる女系容認論。男系主義の歴史的重みを認識し、慎重な議論を(大原康男)
国民が支持する女性天皇――象徴天皇のかたちは時代に応じて変わる(高橋 紘)
■データファイル 女性天皇の容認は既定路線なのか?
論点25 歴史の共同研究は可能か
一国史から東北アジア史へ――それが歴史認識の相克に曙光をもたらす(姜 尚中)
「アジア」の意味さえ国ごとに違うのに歴史認識の共有などありえない(松本健一)
■データファイル 日韓の歴史解釈にはどのぐらい隔たりがあるか?
論点26 中国の「反日」との向き合い方
中国の反日は政策である。日本はその意図を見抜き、いまは痩せ我慢するとき(小島朋之)
反日デモは「愛国教育」のせいにあらず。日本人は中国の変化を知らない(朱 建栄)
■データファイル 反日デモの背後にある中国の国内事情とは?
(9)経済回復と増税
論点27 景気は踊り場を脱したか
民需主導の景気回復がつづく――いざなぎ景気を超える可能性もある(河野龍太郎)
景気回復は楽観的すぎる――個人消費、設備投資とも今後は鈍化する(石田和彦)
■データファイル 「踊り場脱却」宣言――デフレ終息はいつか?
論点28 財政危機は乗り越えられるか
量的緩和継続は財政泥沼化の元凶。即刻、政策転換し、金利を正常化せよ(水谷研治)
■データファイル 膨らむ財政赤字――量的緩和の解除はいつか?
論点29 増税は不可避か
サラリーマンへの増税なしに、少子高齢社会での財政再建はできない(石 弘光)
大増税より、まずは歳出削減が先――税の不公平解消も急務(湯元健治)
■データファイル サラリーマン増税は国民の支持を得られるか?
論点30 相続税は高いか
相続税一〇〇パーセントこそ超高齢社会を活性化する究極の税制である(和田秀樹)
相続税を廃止し、相続人の自由にさせるほうが経済活性化の効果がある(平野拓也)
■データファイル 相続税の税率引き下げは経済の活性化を促すか?
(10)経営の革新
論点31 企業は誰のものか
「会社は株主のもの」を徹底しなければ日本企業は世界で生き残れない(藤巻健史)
「会社は株主のものだ」と思う人間の眼中には、働く者の姿などない(内橋克人 )
■データファイル ヒルズ族の台頭が企業に及ぼした波紋とは?
論点32 なぜ企業の不祥事が続くのか
法令遵守は受け身――全社員に企業の社会的責任を問い直す時がきた(平田雅彦)
■データファイル 企業倫理の再生に必要なものは何か?
論点33 どうすれば売れるのか
ここがおかしい日本の営業。製造部門の成功を手本にすればモノは売れる(宋 文洲)
■データファイル 売れない時代に確実にモノを売る秘訣とは?
論点34 福祉は自己責任か国家か
年金も医療も税金でまかなうのが公平で効率的。企業は福祉から撤退せよ(橘木俊詔)
■データファイル 福祉の担い手にふさわしいのは国か、企業か?
(11)新しい働き方
論点35 新会社法は起業を楽にするか
起業は何度でもやり直しがきく――私がLLP第一号を設立して思うこと(山田真哉)
■データファイル 新会社法は経済活性化の起爆剤となるか?
論点36 成果主義に問題はないか
管理職の扱い方を間違った成果主義が日本企業の強みを殺いでいる(城 繁幸)
■データファイル 成果主義はなぜ従業員に受け入れられないのか?
論点37 就活・受験で成功するには
「自分はできる」とアピールせよ――その意志さえもてば本当にそうなる(樋口裕一)
■データファイル 就職戦線の勝敗はどこで決まるのか?
論点38 ニートの増加をどうみるか
ニート、何と優雅な……。老後は生活保護を受けて暮らすのですか?(奥谷禮子)
ニートの若者と定年退職組で「もうひとつの日本」が創れる(二神能基)
■データファイル ニートの増加が社会と経済に与える影響とは?
論点39 サマータイムを導入すべきか
北海道サマータイム実験の顛末――本格導入の経済効果は一一六五億円(石水 勲)
サマータイムは企業社会に際限のない長時間労働をもたらすだけである(鴨田哲郎)
■データファイル サマータイム導入で余暇は増えるのか?
(12)行政改革
論点40 郵政民営化は正しかったか
郵政民営化は「民」の金を「民」が取り戻すための不可避な選択であった(加藤 寛)
「郵政民営化で財政再建」は大ウソ。その実態は利益政治と民業圧迫である(金子 勝)
■データファイル 郵政民営化でほんとうに資金の流れは変わるのか?
論点41 政府系金融をどう改革するか
政府系金融の存在理由はもうない――最終的には民営化か廃止が望ましい(井堀利宏)
改革は必要。だが市場の失敗を補完できるのは政府系金融だけである(水口弘一)
■データファイル 政府系金融と民間金融の役割の違いとは?
論点42 公務員制度改革をどうするか
天下り防止は転職情報の提供から。わが「公務員転職支援サイト」の試み(山本直治)
■データファイル 「小さな政府」は実現できるか?
論点43 道路公団民営化は成功したか
道路公団改革の成果あり。国民の利益を阻害しているのはメディアのほうだ(猪瀬直樹)
■データファイル 道路公団民営化で経営の効率化は実現できるか?
(13)エネルギーと資源
論点44 日本のエネルギーの未来とは
エネルギー価格高騰は今後も続く。長期の国益を見据えた資源戦略を(内藤正久)
■データファイル 激化する資源外交に日本は勝てるか?
論点45 リサイクルは機能しているか
利害の衝突は容器包装リサイクル法がやっと実力を発揮し始めた証拠(安井 至)
■データファイル 容器リサイクルをうまく機能させる決め手とは?
(14)テロと危機管理
論点46 テロから都市を守れるか
予防こそ最高の危機管理である――日本版CIAの創設を急げ(佐々淳行)
テロ対策に名を借りた過剰防衛が未曾有の監視社会を現出させる(斎藤貴男)
■データファイル 日本のテロ対策はどこまで進んでいるか?
論点47 原発の地震対策は大丈夫か
警戒!! 東海大地震――予想震源域の中心に建つ浜岡原発は即刻停止せよ(茂木清夫)
■データファイル 全国で相次ぐ大地震――危機管理は万全か?
(15)都市と地域の再生
論点48 弱小自治体が自立するには
郷土愛が役場を変えた――合併を拒否したわが矢祭町が成し遂げたこと(根本良一)
■データファイル 平成の大合併、勝ち組・負け組の分かれ目とは?
論点49 自治体のコスト削減は可能か
地方公務員の極楽ライフは続く――全国一律の給料水準が元凶だった(村野まさよし)
■データファイル 地方公務員の厚遇がなぜ長年まかり通ってきたのか?
論点50 1%条例で地域復活はなるか
「市税1%支援制度」は地域への関心を高める新しい自治のありかただ(千葉光行)
「市税1%支援制度」は市民の政治参加を制限し民主主義を後退させる(神野直彦)
■データファイル 1%条例はNPOを育てるか?
論点51 商店街の再生には何が大切か
活気あふれる街づくりには、地域の個性を生かすための規制が必要である(松原隆一郎)
中心市街地の空洞化は当事者の努力不足にすぎない――規制など不要(中沢孝夫)
■データファイル 寂れる地方の市街地――活性化には何が必要か?
論点52 公立美術館・博物館は必要か
公立美術館冬の時代に、わが金沢21世紀美術館がなぜ人気を集めるのか(蓑 豊)
■データファイル 民間ノウハウ導入で公立美術館は生まれ変わるか?
(16)ネット社会
論点53 個人情報流出をどう防ぐか
迷走する「個人情報保護法」対策。まずは「うっかり流出」に目を向けよ(岡村久道)
■データファイル 保護する情報・公開する情報をどう見きわめるか?
論点54 ブログはマスコミを変えるか
古くて新しいメディア=ブログとSNSが言論空間を拡大、深化させる(北田暁大)
■データファイル インターネットは既存メディアを飲み込むか?
(17)知的財産
論点55 知財高裁は機能するか
特許無効審判の欠陥――中小企業に泣き寝入りを強いて何が知財立国か(生越由美)
■データファイル 「知的財産高等裁判所」とは何をするところか?
論点56 著作権保護をどう考えるか
時代に逆行する著作権法改正――過剰な保護は文化資産の共有をはばむ(富田倫生)
著作権がクリエーターを潤さず、TV局や業界を肥らせる不合理を糺す(穂口雄右)
■データファイル デジタル時代、著作権の保護と利用はどう変わる?
論点57 コンテンツ産業の未来は
アニメやゲームで世界を席巻し続けるには自国の文化に対する愛が必要だ(杉山知之)
■データファイル 「オタク大国」日本にコンテンツ立国は可能か?
(18)環境保全
論点58 環境税は必要か
環境税を社会保障財源に回せば環境負荷と保険料負担を同時に抑えられる(広井良典)
■データファイル 環境税導入でCO2排出量は削減できるのか?
論点59 富士山は世界遺産になれるか
富士山をごみのない山にする――世界遺産登録をめざす前にすべきこと(野口 健)
■データファイル 世界遺産に登録されると何がどう変わるのか?
(19)少子高齢化
論点60 少子化対策は有効か
出産は社会的事業――男女共同参画と育児保険で出生率は回復できる(坂東眞理子)
子どもが減って何が悪い。〈男女共同参画が少子化を防ぐ〉は欺瞞である(赤川 学)
■データファイル なぜ夫婦は「理想の子ども数」を実現できないのか?
論点61 外国人労働力を導入すべきか
地方都市からの発信――外国人と共生するためのわが市の取り組み(北脇保之)
低賃金労働者受け入れによって、国民はこれだけのツケを払わされる(森永卓郎)
■データファイル 外国人労働者の受け入れ態勢は整ったか?
論点62 介護予防は役に立つか
介護予防を導入し高齢者の自立を促さなければ制度の維持はむずかしい(高橋紘士)
高齢者の筋トレはかえって危険。予防給付は介護保険の理念を後退させた(岡本祐三)
■データファイル 「介護予防」はなぜ導入されたのか?
(20)現代医療
論点63 医療事故をどう防ぐか
医療事故の究明方法の未熟とマンパワー不足が信頼関係を崩壊させる(森 武生)
医療事故をなくすには患者込みのチーム医療と医師免許更新制の実現を(勝村久司)
■データファイル 医療ミスを繰り返すリピーター医師を減らせるか?
論点64 医療改革はどこへいくか
医療費の抑制は超高齢時代の要請――改革の要は効率化と重点化だ(西室泰三)
日本の医療費は高くない。採算重視の医療改革は患者切り捨てにつながる(鈴木 厚)
■データファイル 「国民の安心」と医療費抑制は両立できるのか?
論点65 がん撲滅に何が必要か
がん撲滅のカギはタバコ対策、検診体制の見直し、治療水準の格差解消(垣添忠生)
がん撲滅の主役は患者。全情報が提供されなければ治療に納得できない(中澤幾子)
■データファイル 全国どこでも標準治療が受けられる時代は来るか?
論点66 アスベスト禍はまだ広がるか
遅すぎたアスベスト対応――二〇四〇年までに一〇万人の犠牲者が出る(村山武彦)
■データファイル アスベスト汚染はどこまで広がっているのか?
(21)生命倫理
論点67 出自を知る権利を認めるか
ドナーの匿名性あっての生殖補助医療。出自情報の全面開示は時期尚早か(吉村泰典)
遺伝上の親を知ることは子どもの権利――親の都合より優先する(金城清子)
■データファイル 遺伝上の親の情報はどこまで開示すべきか?
論点68 着床前診断を許すべきか
着床前診断は優生思想ではない。日本でだけ認めないのは倫理に反する(大谷徹郎)
着床前診断はまだ研究途上――安易な拡大は優生的選択につながる(山中美智子)
■データファイル 着床前診断は命の選別か、不妊夫婦への福音か?
(22)教育の可能性
論点69 ゆとり教育は失敗だったのか
ゆとり教育の見直しには学力低下だけではないもっと大きな理由がある(苅谷剛彦)
ゆとり教育の見直しは拙速。「詰め込み」と「競争」では学力は向上しない(尾木直樹)
■データファイル 学力低下の本当の原因は何か?
論点70 学校は変わるか
「生徒のために死ねるか」教師の心に火をつけた私の学校再建記(渡邊美樹)
■データファイル 教育制度改革はどこまで進んでいるのか?
論点71 小学校に英語を導入すべきか
小学校に英語は要らない――「早期教育で勝ち組」は大いなる幻想である(大津由紀雄)
■データファイル 早期教育で本当に英語が使えるようになるのか?
論点72 産学連携のどこが問題か
「役に立たない学問」を大切にする精神が失われた国家は衰退しかない(藤原正彦)
■データファイル 産学連携で大学は本当に生き残れるか?
(23)親と子
論点73 いま子供に何が起きているか
子供の異変――それは過剰な教育とテレビまかせの育児が与えたストレス(藤原智美)
■データファイル どんな生活習慣が子どもの心身を蝕んでいるのか?
論点74 家庭内殺人の病理とは
親殺しは権力闘争だ。子どもの自立心がそこなわれるとき悲劇は起こる(斎藤 環)
データファイル なぜ子どもが家族を殺す事件が多発するのか?
論点75 児童虐待はなぜ減らないか
よい子を期待するしつけが虐待を生み、優等生を犯罪に走らせる(長谷川博一)
データファイル なぜ虐待の存在を知りながら悲劇を防げないのか?
(24)法制度
論点76 弁護士は変わるか
弁護士が疑う、弁護士の良識――法律家人権団体にそびえる「バカの壁」(木村晋介)
■データファイル 法律家への門戸はどのくらい広がったのか?
論点77 裁判員制度は実現できるのか
裁判員制度の難関は知識と経験の違う法律家と市民が行う評議にあり(森野俊彦)
■データファイル 裁判員制度の導入で裁判がどう変わるのか?
論点78 死刑制度は廃止すべきか
遺族の心を癒さなかった死刑執行――私が死刑制度に疑問を感じる理由(原田正治)
死刑制度は存続すべき。執行停止法は、国民を騙す姑息な手段である(土本武司)
■データファイル 死刑廃止をめぐる議論はどう変遷したか?
(25)犯罪と償い
論点79 快楽殺人がなぜ多発するのか
日本社会のアメリカ化・ハイテク化が性的快楽のための殺人を生んだ(作田 明)
■データファイル 猟奇的な殺人事件に共通するものとは?
論点80 なぜ人は詐欺にあうのか
だまされるのが人の本質――日頃の思考訓練があなたを詐欺から守る(菊池 聡)
■データファイル 日々進化する詐欺の手口を封じる手立てとは?
論点81 性犯罪者情報を公開すべきか
性犯罪者への温情は無用。犯罪者情報登録制度を整え、地域に情報提供を(諸澤英道)
情報公開は人権侵害の恐れあり。性犯罪の防止は矯正と保護の連携を(藤本哲也)
■データファイル 性犯罪者はなぜ繰り返し同様の犯罪をおかすのか?
論点82 犯罪被害者をどう救済するか
犯罪者の更生など幻想。「賠償モデル」を採用し一生かけて償わせよ(中嶋博行)
■データファイル 犯罪被害者基本法で被害者救済は万全か?
論点83 日本の刑務所は改善されたか
刑務所を福祉の代替施設にしてはならない。処遇困難者に社会復帰の道を(山本譲司)
■データファイル 増え続ける受刑者をどう処遇するか?
(26)世相
論点84 動物園の存在意義とは何か
「行動展示」が伝える驚きと感動――旭山動物園に日本一、人が集まる理由(小菅正夫)
■データファイル 動物園は教育施設か見せ物か?
論点85 自殺増加を食い止めるには
年間自殺者三万人時代――心の病の早期発見で悲劇は十分予防できる(高橋祥友)
■データファイル 自殺者数を減らす有効な手立てはあるか?
論点86 景観をどう守るか
摘発せよ、市民! 美しい街づくりは、極彩色看板の撤去から(伊藤 滋)
■データファイル 景観法施行で日本に美しい景観はよみがえるか?
(27)スポーツ
論点87 スポーツ外交の意義とは
スポーツこそ日本の外交手段――サッカー日本代表が貢献するもの(平田竹男)
■データファイル スポーツにおいて政治的駆け引きはどれだけ重要か?
論点88 プロ野球人気は回復したか
YGは首都圏へ帰れ。タイガースの勝利は地方の時代の勝利である(井上章一)
■データファイル プロ野球改革元年、成果はあったか?
論点89 大相撲人気は復活するか
昭和の相撲人気はもう戻らない。その前の小規模経営に戻すとき(小谷野敦)
■データファイル 外国人力士の活躍は相撲人気の低迷を救えるか?
■大項目へのJUMP■
(1)世代交代の現場(2)日米外交(3)緊迫の朝鮮半島(4)アジア外交(5)憲法と安全保障
(6)世代交代する日本政治(7)戦後の総括(8)ナショナリズム(9)経済回復と増税
(10)経営の革新(11)新しい働き方(12)行政改革(13)エネルギーと資源
(14)テロと危機管理(15)都市と地域の再生(16)ネット社会(17)知的財産
(18)環境保全(19)少子高齢化(20)現代医療(21)生命倫理(22)教育の可能性
(23)親と子(24)法制度(25)犯罪と償い(26)世相(27)スポーツ
(1)世代交代の現場 2006年新しい現実
論点1 団塊退職で日本はどうなる
団塊世代がまた時代を変える――自由と活力の「黄金の一〇年」が始まる(堺屋太一)
団塊老人が偉そうに闊歩する――「うっとうしい一〇年」がやってくる(小田嶋隆)
■データファイル 団塊世代の退職で技術・技能の伝承は大丈夫か?
論点2 勝ち組・負け組社会とは何か
景気回復では解消できない危機――それは若者が希望を失う社会の到来だ(山田昌弘)
■データファイル 日本社会の格差はどこまで広がったのか?
論点3 日本人アスリートが勝つには
武士道精神で勝つ――なぜ私がふたたび世界の舞台でメダルを獲れたか(為末 大 )
■データファイル 世界で勝てるランナーはどこがちがうのか?
論点4 問題生徒を立ち直らせるには
『普通』の生徒が危ない! 道を見失った子どもは大人の本気を待っている(義家弘介)
■データファイル なぜ学校で暴力事件が多発するのか?
論点5 敬語の乱れをどう考えるか
敬語はコミュニケーション上の調整手段と考えれば誤用も認められる(秋月高太郎)
敬語は「上下関係」の認識を表現する語彙の体系。乱れ容認論を排す(萩野貞樹 )
■データファイル 国語力の低下と敬語の乱れはどこまで進んだか?
(2)日米外交
論点6 外交の軸足は米国かアジアか
「膨張する中国」の脅威――日米同盟の重要性はかつてなく高まっている(中西輝政)
東アジア共同体を視野に日米同盟を活用し、バランスある能動的外交を(田中 均)
■データファイル 中・印の台頭に日本はどう対応するのか?
論点7 アメリカの本当の敵は誰か
アメリカの真の敵はテロリストとその支援国だ。中国もそうなる可能性大(ゲーリー・シュミット)
ベトナム戦争の失敗を繰り返すな。敵は特定の国ではないことを認識せよ(ジョン・ジュディス)
■データファイル アメリカはテロとの戦いから抜け出せるのか?
論点8 知日派を育てるべきか
堅固な日米関係を築くには少数の知日派育成より多数の関心を惹起すべし(阿川尚之)
■データファイル 米国の知日派とは何か? なぜ減っているのか?
(3)緊迫の朝鮮半島
論点9 金正日総書記の戦略とは何か
金正日は核を手放すつもりはない。核拡散を防ぐために日米同盟の強化を(重村智計)
■データファイル 北朝鮮への支援は核開発の放棄につながるか?
論点10 拉致被害の実態とは
拉致被害者の数一〇〇人以上。すべての人を救出する以外解決の道はない(荒木和博)
■データファイル 日本はなぜ拉致被害者を取り戻せないのか?
論点11 韓国の親北朝鮮の意味とは
危険! 韓国の北朝鮮化。中・朝・韓三国同盟が日本を包囲する恐れあり(萩原 遼)
■データファイル なぜ韓国は反日・親北に傾くのか?
(4)アジア外交
論点12 北方領土をどう取り戻すか
「潜在主権」の確認から切り込めばプーチン在任中に北方四島は取り戻せる(佐藤 優)
■データファイル 北方四島の返還交渉はなぜ行き詰まったのか?
論点13 東アジア共同体は実現するか
東アジアで欧州流の統合は不可能。だが経済・文化の共同歩調は意味がある(小倉和夫)
■データファイル 東アジア共同体構想を妨げる要因とは?
論点14 人民元切上げで何が起きるか
まだ「強い」人民元――タイミングを見はからい、大幅切上げの可能性あり(行天豊雄)
■データファイル 人民元切上げが世界経済に及ぼす影響は?
(5)憲法と安全保障
論点15 憲法前文を改めるべきか
憲法前文の本質は米帝による米定の日本国抹消案。あえて掲げるわが試案(西部 邁)
非戦のメッセージがこめられた現行憲法――前文を改める必要なし(渡辺 治)
■データファイル 各国の憲法は前文に何を盛り込んでいるか?
論点16 九条を改正すべきか
九条改正と基本法制定。この両輪なくして日本の安全保障は完成しない(村田晃嗣)
「一般市民を殺さない」国際貢献のためには九条を改正してはならない(伊勢崎賢治)
■データファイル 憲法九条改正で自衛隊は自衛軍になるのか?
論点17 米軍再編にどう対応すべきか
日本防衛の対象は日本周辺のみにあらず。世界規模の米軍再編と協同せよ(志方俊之)
米軍再編で自衛隊は米軍の一員になる。危険な集団的自衛権の行使は必至(前田哲男)
■データファイル 米軍再編で日本の負担は増えるのか?
論点18 文民統制はどうあるべきか
文民統制とは官僚支配のことではない。軍事を語れる政治家こそ必要(石破 茂)
■データファイル 制服組と背広組の間にはどんな対立があるのか?
(6)世代交代する日本政治
論点19 新リーダーの最優先政治課題
財政再建と年金改革そして憲法改正――これらはけっして手を緩めてはならない(安倍晋三)
グローバル化と人口減少社会では、簡素で効率的な政府の実現が不可欠(谷垣禎一)
税金の無駄遣いをなくし、税金の使い道を変える――行革なくして増税なし(前原誠司)
「坂の上の雲」を目指すより、縮小均衡で財政再建を達成するのが本道(枝野幸男)
国の事業はできるかぎり地方と民間に。そして憲法九条は自衛隊の明文化を(高木陽介)
リーダー交代。だが古い構造が壊れたあと彼らは国民に何を提示するのか(田原総一朗)
■データファイル '89~'05世界のなかの日本――「自立」への道のり
論点20 参議院の存在意義とは
「参議院が国会の暴走を防ぐ」は建て前。一院制こそが国会を機能させる(衛藤征士郎)
自ら参議院を形骸化させておいて、だから「無用」だと、何をいうか(荒井広幸)
■データファイル 参議院はほんとうに必要か――二院制とは何か?
(7)戦後の総括
論点21 太平洋戦争とは何だったのか
「あの戦争」を、侵略でもなく聖戦でもなく「歴史」として語り継ぐ時が来た(保阪正康)
アメリカ的歴史観が破綻したいま、「あの戦争」の本当の意味が見えてくる(佐伯啓思)
■データファイル 戦後、太平洋戦争はどのように解釈されてきたか?
論点22 東京裁判をどう評価すべきか
日本人よ、東京裁判と訣別せよ。過去への問いを歪めないために――(福田和也)
■データファイル 東京裁判は「勝者による復讐」だったのか?
論点23 靖国問題とは何か
国民の鎮魂――靖国神社とは、日本人の死生観と日本文明の象徴である(櫻井よしこ)
靖国問題の核心とは「A級戦犯」分祀ではなく、政教分離原則の変更だ(高橋哲哉)
■データファイル 首相の靖国参拝の何が問題なのか?
(8)ナショナリズム
論点24 日本人にとって皇室とは何か
短絡すぎる女系容認論。男系主義の歴史的重みを認識し、慎重な議論を(大原康男)
国民が支持する女性天皇――象徴天皇のかたちは時代に応じて変わる(高橋 紘)
■データファイル 女性天皇の容認は既定路線なのか?
論点25 歴史の共同研究は可能か
一国史から東北アジア史へ――それが歴史認識の相克に曙光をもたらす(姜 尚中)
「アジア」の意味さえ国ごとに違うのに歴史認識の共有などありえない(松本健一)
■データファイル 日韓の歴史解釈にはどのぐらい隔たりがあるか?
論点26 中国の「反日」との向き合い方
中国の反日は政策である。日本はその意図を見抜き、いまは痩せ我慢するとき(小島朋之)
反日デモは「愛国教育」のせいにあらず。日本人は中国の変化を知らない(朱 建栄)
■データファイル 反日デモの背後にある中国の国内事情とは?
(9)経済回復と増税
論点27 景気は踊り場を脱したか
民需主導の景気回復がつづく――いざなぎ景気を超える可能性もある(河野龍太郎)
景気回復は楽観的すぎる――個人消費、設備投資とも今後は鈍化する(石田和彦)
■データファイル 「踊り場脱却」宣言――デフレ終息はいつか?
論点28 財政危機は乗り越えられるか
量的緩和継続は財政泥沼化の元凶。即刻、政策転換し、金利を正常化せよ(水谷研治)
■データファイル 膨らむ財政赤字――量的緩和の解除はいつか?
論点29 増税は不可避か
サラリーマンへの増税なしに、少子高齢社会での財政再建はできない(石 弘光)
大増税より、まずは歳出削減が先――税の不公平解消も急務(湯元健治)
■データファイル サラリーマン増税は国民の支持を得られるか?
論点30 相続税は高いか
相続税一〇〇パーセントこそ超高齢社会を活性化する究極の税制である(和田秀樹)
相続税を廃止し、相続人の自由にさせるほうが経済活性化の効果がある(平野拓也)
■データファイル 相続税の税率引き下げは経済の活性化を促すか?
(10)経営の革新
論点31 企業は誰のものか
「会社は株主のもの」を徹底しなければ日本企業は世界で生き残れない(藤巻健史)
「会社は株主のものだ」と思う人間の眼中には、働く者の姿などない(内橋克人 )
■データファイル ヒルズ族の台頭が企業に及ぼした波紋とは?
論点32 なぜ企業の不祥事が続くのか
法令遵守は受け身――全社員に企業の社会的責任を問い直す時がきた(平田雅彦)
■データファイル 企業倫理の再生に必要なものは何か?
論点33 どうすれば売れるのか
ここがおかしい日本の営業。製造部門の成功を手本にすればモノは売れる(宋 文洲)
■データファイル 売れない時代に確実にモノを売る秘訣とは?
論点34 福祉は自己責任か国家か
年金も医療も税金でまかなうのが公平で効率的。企業は福祉から撤退せよ(橘木俊詔)
■データファイル 福祉の担い手にふさわしいのは国か、企業か?
(11)新しい働き方
論点35 新会社法は起業を楽にするか
起業は何度でもやり直しがきく――私がLLP第一号を設立して思うこと(山田真哉)
■データファイル 新会社法は経済活性化の起爆剤となるか?
論点36 成果主義に問題はないか
管理職の扱い方を間違った成果主義が日本企業の強みを殺いでいる(城 繁幸)
■データファイル 成果主義はなぜ従業員に受け入れられないのか?
論点37 就活・受験で成功するには
「自分はできる」とアピールせよ――その意志さえもてば本当にそうなる(樋口裕一)
■データファイル 就職戦線の勝敗はどこで決まるのか?
論点38 ニートの増加をどうみるか
ニート、何と優雅な……。老後は生活保護を受けて暮らすのですか?(奥谷禮子)
ニートの若者と定年退職組で「もうひとつの日本」が創れる(二神能基)
■データファイル ニートの増加が社会と経済に与える影響とは?
論点39 サマータイムを導入すべきか
北海道サマータイム実験の顛末――本格導入の経済効果は一一六五億円(石水 勲)
サマータイムは企業社会に際限のない長時間労働をもたらすだけである(鴨田哲郎)
■データファイル サマータイム導入で余暇は増えるのか?
(12)行政改革
論点40 郵政民営化は正しかったか
郵政民営化は「民」の金を「民」が取り戻すための不可避な選択であった(加藤 寛)
「郵政民営化で財政再建」は大ウソ。その実態は利益政治と民業圧迫である(金子 勝)
■データファイル 郵政民営化でほんとうに資金の流れは変わるのか?
論点41 政府系金融をどう改革するか
政府系金融の存在理由はもうない――最終的には民営化か廃止が望ましい(井堀利宏)
改革は必要。だが市場の失敗を補完できるのは政府系金融だけである(水口弘一)
■データファイル 政府系金融と民間金融の役割の違いとは?
論点42 公務員制度改革をどうするか
天下り防止は転職情報の提供から。わが「公務員転職支援サイト」の試み(山本直治)
■データファイル 「小さな政府」は実現できるか?
論点43 道路公団民営化は成功したか
道路公団改革の成果あり。国民の利益を阻害しているのはメディアのほうだ(猪瀬直樹)
■データファイル 道路公団民営化で経営の効率化は実現できるか?
(13)エネルギーと資源
論点44 日本のエネルギーの未来とは
エネルギー価格高騰は今後も続く。長期の国益を見据えた資源戦略を(内藤正久)
■データファイル 激化する資源外交に日本は勝てるか?
論点45 リサイクルは機能しているか
利害の衝突は容器包装リサイクル法がやっと実力を発揮し始めた証拠(安井 至)
■データファイル 容器リサイクルをうまく機能させる決め手とは?
(14)テロと危機管理
論点46 テロから都市を守れるか
予防こそ最高の危機管理である――日本版CIAの創設を急げ(佐々淳行)
テロ対策に名を借りた過剰防衛が未曾有の監視社会を現出させる(斎藤貴男)
■データファイル 日本のテロ対策はどこまで進んでいるか?
論点47 原発の地震対策は大丈夫か
警戒!! 東海大地震――予想震源域の中心に建つ浜岡原発は即刻停止せよ(茂木清夫)
■データファイル 全国で相次ぐ大地震――危機管理は万全か?
(15)都市と地域の再生
論点48 弱小自治体が自立するには
郷土愛が役場を変えた――合併を拒否したわが矢祭町が成し遂げたこと(根本良一)
■データファイル 平成の大合併、勝ち組・負け組の分かれ目とは?
論点49 自治体のコスト削減は可能か
地方公務員の極楽ライフは続く――全国一律の給料水準が元凶だった(村野まさよし)
■データファイル 地方公務員の厚遇がなぜ長年まかり通ってきたのか?
論点50 1%条例で地域復活はなるか
「市税1%支援制度」は地域への関心を高める新しい自治のありかただ(千葉光行)
「市税1%支援制度」は市民の政治参加を制限し民主主義を後退させる(神野直彦)
■データファイル 1%条例はNPOを育てるか?
論点51 商店街の再生には何が大切か
活気あふれる街づくりには、地域の個性を生かすための規制が必要である(松原隆一郎)
中心市街地の空洞化は当事者の努力不足にすぎない――規制など不要(中沢孝夫)
■データファイル 寂れる地方の市街地――活性化には何が必要か?
論点52 公立美術館・博物館は必要か
公立美術館冬の時代に、わが金沢21世紀美術館がなぜ人気を集めるのか(蓑 豊)
■データファイル 民間ノウハウ導入で公立美術館は生まれ変わるか?
(16)ネット社会
論点53 個人情報流出をどう防ぐか
迷走する「個人情報保護法」対策。まずは「うっかり流出」に目を向けよ(岡村久道)
■データファイル 保護する情報・公開する情報をどう見きわめるか?
論点54 ブログはマスコミを変えるか
古くて新しいメディア=ブログとSNSが言論空間を拡大、深化させる(北田暁大)
■データファイル インターネットは既存メディアを飲み込むか?
(17)知的財産
論点55 知財高裁は機能するか
特許無効審判の欠陥――中小企業に泣き寝入りを強いて何が知財立国か(生越由美)
■データファイル 「知的財産高等裁判所」とは何をするところか?
論点56 著作権保護をどう考えるか
時代に逆行する著作権法改正――過剰な保護は文化資産の共有をはばむ(富田倫生)
著作権がクリエーターを潤さず、TV局や業界を肥らせる不合理を糺す(穂口雄右)
■データファイル デジタル時代、著作権の保護と利用はどう変わる?
論点57 コンテンツ産業の未来は
アニメやゲームで世界を席巻し続けるには自国の文化に対する愛が必要だ(杉山知之)
■データファイル 「オタク大国」日本にコンテンツ立国は可能か?
(18)環境保全
論点58 環境税は必要か
環境税を社会保障財源に回せば環境負荷と保険料負担を同時に抑えられる(広井良典)
■データファイル 環境税導入でCO2排出量は削減できるのか?
論点59 富士山は世界遺産になれるか
富士山をごみのない山にする――世界遺産登録をめざす前にすべきこと(野口 健)
■データファイル 世界遺産に登録されると何がどう変わるのか?
(19)少子高齢化
論点60 少子化対策は有効か
出産は社会的事業――男女共同参画と育児保険で出生率は回復できる(坂東眞理子)
子どもが減って何が悪い。〈男女共同参画が少子化を防ぐ〉は欺瞞である(赤川 学)
■データファイル なぜ夫婦は「理想の子ども数」を実現できないのか?
論点61 外国人労働力を導入すべきか
地方都市からの発信――外国人と共生するためのわが市の取り組み(北脇保之)
低賃金労働者受け入れによって、国民はこれだけのツケを払わされる(森永卓郎)
■データファイル 外国人労働者の受け入れ態勢は整ったか?
論点62 介護予防は役に立つか
介護予防を導入し高齢者の自立を促さなければ制度の維持はむずかしい(高橋紘士)
高齢者の筋トレはかえって危険。予防給付は介護保険の理念を後退させた(岡本祐三)
■データファイル 「介護予防」はなぜ導入されたのか?
(20)現代医療
論点63 医療事故をどう防ぐか
医療事故の究明方法の未熟とマンパワー不足が信頼関係を崩壊させる(森 武生)
医療事故をなくすには患者込みのチーム医療と医師免許更新制の実現を(勝村久司)
■データファイル 医療ミスを繰り返すリピーター医師を減らせるか?
論点64 医療改革はどこへいくか
医療費の抑制は超高齢時代の要請――改革の要は効率化と重点化だ(西室泰三)
日本の医療費は高くない。採算重視の医療改革は患者切り捨てにつながる(鈴木 厚)
■データファイル 「国民の安心」と医療費抑制は両立できるのか?
論点65 がん撲滅に何が必要か
がん撲滅のカギはタバコ対策、検診体制の見直し、治療水準の格差解消(垣添忠生)
がん撲滅の主役は患者。全情報が提供されなければ治療に納得できない(中澤幾子)
■データファイル 全国どこでも標準治療が受けられる時代は来るか?
論点66 アスベスト禍はまだ広がるか
遅すぎたアスベスト対応――二〇四〇年までに一〇万人の犠牲者が出る(村山武彦)
■データファイル アスベスト汚染はどこまで広がっているのか?
(21)生命倫理
論点67 出自を知る権利を認めるか
ドナーの匿名性あっての生殖補助医療。出自情報の全面開示は時期尚早か(吉村泰典)
遺伝上の親を知ることは子どもの権利――親の都合より優先する(金城清子)
■データファイル 遺伝上の親の情報はどこまで開示すべきか?
論点68 着床前診断を許すべきか
着床前診断は優生思想ではない。日本でだけ認めないのは倫理に反する(大谷徹郎)
着床前診断はまだ研究途上――安易な拡大は優生的選択につながる(山中美智子)
■データファイル 着床前診断は命の選別か、不妊夫婦への福音か?
(22)教育の可能性
論点69 ゆとり教育は失敗だったのか
ゆとり教育の見直しには学力低下だけではないもっと大きな理由がある(苅谷剛彦)
ゆとり教育の見直しは拙速。「詰め込み」と「競争」では学力は向上しない(尾木直樹)
■データファイル 学力低下の本当の原因は何か?
論点70 学校は変わるか
「生徒のために死ねるか」教師の心に火をつけた私の学校再建記(渡邊美樹)
■データファイル 教育制度改革はどこまで進んでいるのか?
論点71 小学校に英語を導入すべきか
小学校に英語は要らない――「早期教育で勝ち組」は大いなる幻想である(大津由紀雄)
■データファイル 早期教育で本当に英語が使えるようになるのか?
論点72 産学連携のどこが問題か
「役に立たない学問」を大切にする精神が失われた国家は衰退しかない(藤原正彦)
■データファイル 産学連携で大学は本当に生き残れるか?
(23)親と子
論点73 いま子供に何が起きているか
子供の異変――それは過剰な教育とテレビまかせの育児が与えたストレス(藤原智美)
■データファイル どんな生活習慣が子どもの心身を蝕んでいるのか?
論点74 家庭内殺人の病理とは
親殺しは権力闘争だ。子どもの自立心がそこなわれるとき悲劇は起こる(斎藤 環)
データファイル なぜ子どもが家族を殺す事件が多発するのか?
論点75 児童虐待はなぜ減らないか
よい子を期待するしつけが虐待を生み、優等生を犯罪に走らせる(長谷川博一)
データファイル なぜ虐待の存在を知りながら悲劇を防げないのか?
(24)法制度
論点76 弁護士は変わるか
弁護士が疑う、弁護士の良識――法律家人権団体にそびえる「バカの壁」(木村晋介)
■データファイル 法律家への門戸はどのくらい広がったのか?
論点77 裁判員制度は実現できるのか
裁判員制度の難関は知識と経験の違う法律家と市民が行う評議にあり(森野俊彦)
■データファイル 裁判員制度の導入で裁判がどう変わるのか?
論点78 死刑制度は廃止すべきか
遺族の心を癒さなかった死刑執行――私が死刑制度に疑問を感じる理由(原田正治)
死刑制度は存続すべき。執行停止法は、国民を騙す姑息な手段である(土本武司)
■データファイル 死刑廃止をめぐる議論はどう変遷したか?
(25)犯罪と償い
論点79 快楽殺人がなぜ多発するのか
日本社会のアメリカ化・ハイテク化が性的快楽のための殺人を生んだ(作田 明)
■データファイル 猟奇的な殺人事件に共通するものとは?
論点80 なぜ人は詐欺にあうのか
だまされるのが人の本質――日頃の思考訓練があなたを詐欺から守る(菊池 聡)
■データファイル 日々進化する詐欺の手口を封じる手立てとは?
論点81 性犯罪者情報を公開すべきか
性犯罪者への温情は無用。犯罪者情報登録制度を整え、地域に情報提供を(諸澤英道)
情報公開は人権侵害の恐れあり。性犯罪の防止は矯正と保護の連携を(藤本哲也)
■データファイル 性犯罪者はなぜ繰り返し同様の犯罪をおかすのか?
論点82 犯罪被害者をどう救済するか
犯罪者の更生など幻想。「賠償モデル」を採用し一生かけて償わせよ(中嶋博行)
■データファイル 犯罪被害者基本法で被害者救済は万全か?
論点83 日本の刑務所は改善されたか
刑務所を福祉の代替施設にしてはならない。処遇困難者に社会復帰の道を(山本譲司)
■データファイル 増え続ける受刑者をどう処遇するか?
(26)世相
論点84 動物園の存在意義とは何か
「行動展示」が伝える驚きと感動――旭山動物園に日本一、人が集まる理由(小菅正夫)
■データファイル 動物園は教育施設か見せ物か?
論点85 自殺増加を食い止めるには
年間自殺者三万人時代――心の病の早期発見で悲劇は十分予防できる(高橋祥友)
■データファイル 自殺者数を減らす有効な手立てはあるか?
論点86 景観をどう守るか
摘発せよ、市民! 美しい街づくりは、極彩色看板の撤去から(伊藤 滋)
■データファイル 景観法施行で日本に美しい景観はよみがえるか?
(27)スポーツ
論点87 スポーツ外交の意義とは
スポーツこそ日本の外交手段――サッカー日本代表が貢献するもの(平田竹男)
■データファイル スポーツにおいて政治的駆け引きはどれだけ重要か?
論点88 プロ野球人気は回復したか
YGは首都圏へ帰れ。タイガースの勝利は地方の時代の勝利である(井上章一)
■データファイル プロ野球改革元年、成果はあったか?
論点89 大相撲人気は復活するか
昭和の相撲人気はもう戻らない。その前の小規模経営に戻すとき(小谷野敦)
■データファイル 外国人力士の活躍は相撲人気の低迷を救えるか?
MBA受験読本② 小論文対策はこれ!
MBA受験読本② 小論文対策はこれ!
ほとんどといっていいほど、国内MBAの二次試験には小論文が課せられます。題材はMBA(経営学)に関係する時事から出題されることが多いと聞いています。私も春入試向けに経営関連の基礎や研究したいと考える分野の本を読み漁っています。が、それでも不安。。。と言う方に「日本の論点 2006」がお勧めです。
ご存知の方も多いと思いますが、日本の論点は文芸春秋が毎年発行する時事解説本で、現在日本におけるホットなトピックについて、あらゆる分野の専門家が論じています。少子化問題、団塊世代の集団退職に始まり、社会保障、国家セキュリティなど様々なトピックをカバーしています。で、もちろんこの中には経済・経営の議論も掲載されています。
短時間で効率よく、世間をにぎわす話題の基礎知識を身に付けるには良書といえましょう。かくいう私は、Amazonで2006年版を予約し、今日届いたばかりなので、まだ読んでいませんが、目次をざっとみただけでも結構楽しめました。小論文対策というだけでなく、常備しておいて疑問に思ったときにそのトピックを引く、というような使い方でもいいですよね。
ほとんどといっていいほど、国内MBAの二次試験には小論文が課せられます。題材はMBA(経営学)に関係する時事から出題されることが多いと聞いています。私も春入試向けに経営関連の基礎や研究したいと考える分野の本を読み漁っています。が、それでも不安。。。と言う方に「日本の論点 2006」がお勧めです。
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はじめての人のマーケティング入門
はじめての人のマーケティング入門
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
本書は、はじめてマーケティングの勉強をする人を対象にまとめている。新入社員にも理解できるよう、むずかしい用語は極力使わず、できるだけ具体例を入れて解説している。
【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 営業効率を高める―市場のセグメンテーション・ポジショニング分析・商品の普及プロセス
(「市場のセグメンテーション」とは?
なぜセグメンテーションするのか? ほか)
第2章 効果的なプロモーション活動を展開する―購買意思決定プロセス・プロモーション・ミックス(「注意→関心→欲求→行動」=AIDAモデル/5つの宣伝手法を組み合わせる ほか)
第3章 事業の多角化、新商品開発を考える―プロダクト・ライフ・サイクル
(プロダクト・ライフ・サイクルとは?
導入期は広告費をかけて商品をお客さんに認知してもらう ほか)
第4章 顧客を維持して傭けを最大化する―CS(customer satisfaction:顧客満足)理論
(高いCS(顧客満足)は会社にどんなメリットをもたらすのか?
従業員の仕事満足がCSを高める ほか)/
第5章 新規事業を立ち上げる―5つの力(five forces)
(収益性分析の概要を見てみよう
「業界内の既存企業の競争」とは何か? ほか)
【著者情報】(「BOOK」データベースより)
飯野一(イイノハジメ)
早稲田大学大学院アジア太平洋研究科国際経営学専攻(MBA)修了(専攻:組織行動学)。日本ベンチャー学会会員。難しい経営理論を誰にでもわかりやすく説明することを得意としている。現在、MBA受験のための教育会社ウインドミル・エデュケイションズ株式会社のCEOをつとめる
小出浩平(コイデコウヘイ)
中央大学理工学研究科修了(精密工学)後、戸田建設(株)入社。専門はバイオクリーンルーム(技術士(衛生工学)、一級建築士)。2001年、初の社内公募制度で選考され、早稲田大学大学院アジア太平洋研究科国際経営学専攻(MBA)に入学。2003年3月、総代で修了後、戦略担当として復職し、新組織を立ち上げ社内改革に取り組んでいる。NPOサスティナブル・コミュニティ研究所所員、福生市商工業活性化実行委員会アドバイザーとして、ライフワーク“まちづくり”にも精力的に取り組んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
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【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 営業効率を高める―市場のセグメンテーション・ポジショニング分析・商品の普及プロセス
(「市場のセグメンテーション」とは?
なぜセグメンテーションするのか? ほか)
第2章 効果的なプロモーション活動を展開する―購買意思決定プロセス・プロモーション・ミックス(「注意→関心→欲求→行動」=AIDAモデル/5つの宣伝手法を組み合わせる ほか)
第3章 事業の多角化、新商品開発を考える―プロダクト・ライフ・サイクル
(プロダクト・ライフ・サイクルとは?
導入期は広告費をかけて商品をお客さんに認知してもらう ほか)
第4章 顧客を維持して傭けを最大化する―CS(customer satisfaction:顧客満足)理論
(高いCS(顧客満足)は会社にどんなメリットをもたらすのか?
従業員の仕事満足がCSを高める ほか)/
第5章 新規事業を立ち上げる―5つの力(five forces)
(収益性分析の概要を見てみよう
「業界内の既存企業の競争」とは何か? ほか)
【著者情報】(「BOOK」データベースより)
飯野一(イイノハジメ)
早稲田大学大学院アジア太平洋研究科国際経営学専攻(MBA)修了(専攻:組織行動学)。日本ベンチャー学会会員。難しい経営理論を誰にでもわかりやすく説明することを得意としている。現在、MBA受験のための教育会社ウインドミル・エデュケイションズ株式会社のCEOをつとめる
小出浩平(コイデコウヘイ)
中央大学理工学研究科修了(精密工学)後、戸田建設(株)入社。専門はバイオクリーンルーム(技術士(衛生工学)、一級建築士)。2001年、初の社内公募制度で選考され、早稲田大学大学院アジア太平洋研究科国際経営学専攻(MBA)に入学。2003年3月、総代で修了後、戦略担当として復職し、新組織を立ち上げ社内改革に取り組んでいる。NPOサスティナブル・コミュニティ研究所所員、福生市商工業活性化実行委員会アドバイザーとして、ライフワーク“まちづくり”にも精力的に取り組んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
早稲田MBA試験感想/小論文
早稲田MBA試験感想/小論文
4題から一つを選んで回答。
1時間で1,200以内。
ボールペン(&修正テープ)を使用。
テーマは4題で、以下のような感じでした。
2題は経営に関するテーマのもの、
1題は思いを語る系??
1題は分析系(論理プロセスを問うもの)
私を含め、周りのほとんどが経営に関するテーマの
どちからで書いたようです。
1時間で1,200字は結構なスピードで書かないと
間に合わないと思いますので、
あらかじめ経営に関する知識を蓄えておいて、
その場ではストラクチャをすぐ決めて、
書き出すくらいにしておかないといけないですね。
経営に関するテーマ以外のもの
(今回は、分析系、思いを語る系)はさらにその場で、
いろいろ考えて、且つ情報伝達よく書かないと
いけないので、余計に、時間的に難しいと思います。
ちなみに、問題用紙は10分前に配られ、
裏返しにしてましたが、
4番目(分析系)の問題が裏面に
書かれてあるので読めるのです(笑)
でもこれは70分あったとしても書くのは無理でしょう。。
きっと、これで書いたひとはいないんじゃないでしょうか。
私のでき
内容×伝達効率=小論文の評価とした場合、
私の場合、常々、書くネタさえ頭の中にあれば、
伝達効率良く書くのは問題ないと言ってきまして、
言いも悪いも、テーマ次第だったのですが、
ばっちし書けるテーマが出ました!
ちょうど前日に読んだテーマが!(笑)
(※別エントリで書きます)
後は、さくっとストラクチャを決めて、書き始めました。
こんな感じ
1.結論
2.長所の詳細(1つ)
3.短所の詳細(2つ)
3.1 短所の詳細1&改善案1
3.2 短所の詳細2&改善案2
4.まとめ
ここまで、10分もかかってないです。
こんなの初めてです(笑)
その後も、すらすら書いて、いつもは800字程度しか
書けなかったのですが、本番限って1,200字(40字×30行)
ちょうど位書けました。
で、「あと5分です」というアナウンスがあったときには
書き終えてました。
幸運にも、本番が一番いいできだったと思います。
とにもかくにも、小論文をもう書かなくて良いのがうれしいです。
今まで論文を出してた身としましては、小論文のような、時間制限があり、きちんと推敲されていない、いいかげんな文章をもう人に読まれることがないということはとてもうれしいです(^^;
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